Go Forward

本棚募金提携会社訪問記

~提携会社・バリューブックスインタビュー~



「本棚募金では“バリューブックス”という会社と提携しているけれど、どんな会社なのかな?」
バリューブックスの概要や、気になったことについて聞いてみました。
お答えいただいたのは、シニアマネージャーの廣瀬さん、長野支店長の橋詰さんです。

Q.どんな会社か教えてください
全部で50人くらいが働いている会社です。東京の本社と、今回お越しいただいたこの買い取りセンター(長野県上田市)の2箇所が拠点です。このセンターでは、書籍類の受け入れ(査定)や注文品の発送などで、常時20人くらいが働いています。
 最初はごく一般的な「古本等の買い取り」とその販売事業を行う会社として2007年に立ち上げました。現在では社会事業のプロジェクトとして、『本棚募金』のような「買い取り額を寄付する」活動にも力を入れています。いくつかの大学さんの他にも、自治体やNPOなどでも同様のプロジェクトを行っています。

Q.本棚募金で送られてきた書籍類を見た感想はいかがですか?
 どのようなきっかけでご利用されたか、現場では推測するしかありませんが、ご自宅等にある書籍を整理したタイミングであったり、母校の学生の奨学金になるなら協力しようとか、いろいろなお考え、きっかけがあるかと思います。
 とにかく、ご自宅等で眠る書籍類、手放そうかと思っている本がありましたら、送って頂ければと思います。

Q.査定する時に見ているポイントを教えてください
 査定のシステムとして、まずISBNが付いているかをチェックします。
 ISBNが付いていないと、この次の査定ができないので“買い取りできない本”となってしまいます。しかし、寄付プロジェクトにご協力いただいたことへの謝意を込めて、大学へお渡しする寄付金額を算出する際にはこのISBNの無い書籍分も多少考慮しています。
 査定自体は、ISBNを読み取ると自動的に買い取りの可否と買い取り金額を計算するシステムになっています。そのため、人の目で見て経験で買い取り額を決める、ということはやっていません。
 ただ、本の状態(書き込みや破損など)や、DVD・ゲームソフトの付属品の有無は人の目で見ないと分からないので、そこはチェックしています。

Q.何回か本棚募金を利用する中で、「こんなに金額が付いたの?!」と思うこともあれば、「これしか…?」と思うこともあったのですが…
 確かに、「これなら高い額が付くだろう」といった、ご提供頂いた方の予想とはなかなか一致しないかもしれません。
 ISBNが付いている本としてお話ししますと、基本的にはAmazonでの中古販売価格が査定額の基準になっています。それと、その本にどれだけの需要があるかという点で、販売ランキングで何位になっているかを査定要素として取り入れています。
中古販売価格とランキングの、どちらも高い方がより高く査定額を付けることができます。しかし、一般的にベストセラーや書店売り上げランキングに入っていたような人気の本は、中古市場でも流通量が増えて販売価格が下がってしまうため、それに応じて買い取り額も下げなければなりません。最近で言うと『もしドラ(もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら)』などが典型例ですね。
 逆に、発売からの期間がそれなりに経っていても、中古市場での流通量が少なく、また、安定的に需要がある書籍は、買い取り額も高くできます。学術系の書籍が多いです。おそらく、大学の先生が紹介する授業の参考書籍などは、こちらに当てはまるものが多いと思います。
 これらの微妙なバランスの上で買い取り査定額を決めているので、なかなかご提供頂いた方の予想と一致するのは難しいかもしれません。

査定のポイント
【上がるポイント】 【下がるポイント】
発刊、発売されてからの日数が経っていないもの
※発売からの期間に応じて、定価に対する最低査定額の保障あり
発売から日数が経っているもの
「○○年版」のように、毎年新版が出てしまうもの
 発売から日数が経っていても、中古での販売価格が安定しているもの
※学術関係の専門書など、発売から日数が経っても一定の需要がある
 
中古での販売価格が安いもの
中古市場での流通量が多すぎるもの
中古市場での動きがあるもの(中古ランキングで200万位程度まで) 中古市場での動きがみられないもの(中古ランキングが付かない)
  汚れ、破れ、書き込みなど、本の状態
Q.これからの展開で考えていることはありますか?
 まずは、ISBNの付いていない本も査定できる仕組みづくりをしていきたいと思っています。現在、試験的に神田の古書店組合に参加して査定のノウハウを学んでいるところです。弊社では取り扱う書籍のジャンルを絞っていません。そのため、幅広い分野の本を、それぞれ専門の古書店と同じように査定するのは難しいと感じていますが、いずれ解決していきたいと思っています。

本棚募金提携会社訪問記 リンク