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黒耀石研究センターについて

センターの概要

 明治大学黒耀石研究センターは,2000年度の学術フロンティア推進事業「石器時代における黒曜石採掘鉱山の研究」にもとづき長野県小県郡長和町に設置された,日本で唯一の黒曜石と人類史に関する研究施設です。2006年度からは明治大学博物館分館として運営されてきましたが,2010年度から明治大学研究・知財戦略機構の付属研究施設として位置づけられ,正副センター長および15名以内のセンター員からなる独立した研究組織として新たに発足しました。

 明治大学では,1984年以来,長門町(現長和町)との共同で,標高1400m付近にある星糞峠と呼ばれる黒曜石原産地とその周辺の石器時代遺跡(鷹山遺跡群)を継続して発掘調査してきました。これは,石器時代の石器原料として多用されるとともに広範囲(原産地から半径約100〜200km)にわたって流通していた黒曜石の特性が,当時の人々の生活や社会を復元するための重要なデータを提供するからです。

 研究・知財戦略機構付属研究施設となったセンターは,これまでの研究成果を踏まえながら,あらたに「ヒト−資源環境系」という概念のもとに,考古学,地質学,古環境学,文化財科学に関連する横断的な研究プロジェクトを立ち上げ,黒曜石を含む多様な資源に対する人類の働きかけのダイナミズムに関する研究を推進します。また,センターを黒曜石研究の国際ネットワークの拠点とすべく,ロシア・中国・韓国・アメリカの関連機関と連携する準備を進めており,海外研究者 による特別講演会も開催します。
なお,センターには事務室・会議室・資料整理室・資料収蔵室があり,埋蔵文化財の収集保管・調査研究に係わる機能がそろっています。学内のセ ミナー合宿などにも活用できます。センターに隣接して長和町立の黒耀石体験ミュージアムが設置されていて,展示や体験学習をとおして,黒曜石研究をもとに 生涯学習が展開されています。