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黒耀石研究センター

黒耀石研究センター員の池谷信之氏が、2015年度『日本旧石器学会賞』を受賞しました。

2016年07月01日
明治大学 研究・知財戦略機構

 2016年6月24日~27日に首都大学東京を会場に行われた第8回アジア旧石器学会の期間中、6月25日に開催された日本旧石器学会総会の席上で、黒耀石研究センター員の池谷信之氏に2015年度『日本旧石器学会賞』が授与されました。2013年度の堤 隆氏、2014年度の須藤隆司氏に続く、3年連続での黒耀石研究センター員による受賞の快挙となりました。

【以下、授賞理由】
 学会賞は、旧石器研究の発展に貢献し優れた業績をあげた会員に授与する。池谷会員は、1990年代以降、望月明彦氏とともに蛍光X線分析による黒曜石産地推定を推進し、遺物・遺跡研究への応用について大きな貢献を果たした。従来、分析点数の制約から考古学的な分析・解釈に限界があった産地推定による研究を「全点分析」データに基づく実証研究へ導いた功績は大きい。中性子放射化分析、波長分散型蛍光X線分析等の定量分析に対して、非破壊・大量分析の前提となるエネルギー分散型蛍光X線分析の有効性についても積極的に検証している。また、産地推定をもとに後期旧石器時代の海上渡航や縄文時代の流通ネットワークなどに関する研究に多くの成果をあげている。池谷会員はこれらの成果を単著『黒曜石考古学』をはじめ国際誌を含む多数の論文として積極的に発信している。以上の業績は学会賞にふさわしいと考える。

※写真の左が池谷氏※写真の左が池谷氏