プロジェクトと活動

信州黒曜石フォーラム

 中部日本の和田峠を中心とする地域には、旧石器時代、縄文時代を通して好んで使われた石器石材であった黒曜石の原産地があります。各時代、各期にわたって豊富に供給されてきた黒曜石の研究は、生業、流通研究など社会構造を考えるうえで重要なものです。
 フォーラムは、長野県及び関連市町村が推進してきた、黒曜石原産地と関連遺跡の調査・研究、保存活用を進める事業を出発点としています。フォーラムを進める母体として、実行委員会が設けられており、2009年度からは当センターが事務局を担当しています。

*黒曜石の生成と原産地の成り立ち
*黒曜石利用めぐるヒトとモノの動き
*黒曜石から見た石器時代社会の復元
 という諸点を基軸にした研究を進めると同時に、黒曜石原産地遺跡と集散地遺跡・黒曜石が供給された遺跡などの、黒曜石の「絆」で結ばれた長野県の遺跡の保存と活用の道を探ります。
第1回黒耀石フォーラム(2009年) —黒曜石の研究はどこまで進んだか—
①信州黒曜石原産地の地質・火山学的背景              長井雅史
②原産地推定にもとづく考古学的事象の解釈とその展開‐愛鷹・箱根山麓
の陥穴猟と黒曜石受給から‐                   池谷信之
③野尻湖遺跡群における黒曜石の産地推定分析成果          大竹憲昭
④岡谷市域の縄文時代における近年の産地推定分析成果について    川原喜重子
⑤縄文時代黒曜石一括埋納例及び土器格納例の集成と課題       山科哲
⑥紙上発表 漆黒黒曜石の利用と原産地開発史            宮坂清
 長野県における黒曜石原産地等の保全について           町田勝則
第2回黒耀石フォーラム(2010年) —中部高地石器石材原産地と消費地をめぐる諸問題— 
 講演 石材の流通-見えないものをどう捉えるか          小野昭
①野尻湖遺跡群における黒曜石産地推定分析データの集成と解析    谷和隆
②信州産黒曜石原産地における原石産状と石材獲得のあり方について  大竹憲昭
③栃木県高原山黒曜石原産地における原石産状と人類遺跡       国武貞克
④諏訪湖底曽根遺跡と黒曜石をめぐる地域文化と形成過程       及川穣
⑤縄文草創期前半から後半にかけての石器石材利用について      橋詰潤
⑥石器製作行動と黒曜石の流通-関東地方の石器群の情況から考える- 小菅将夫 
⑦旧石器時代における石斧の石材原産地・採集地の推定        中村由克
⑧旧石器時代初頭における石斧の形態と機能             須藤隆司
第3回信州黒曜石フォーラム(2011年) —黒曜石の一括埋納は何を語るのか—
①霧が峰・八ヶ岳西麓における黒曜石一括埋納について       守矢昌文・山科哲
 -特に茅野市の事例を中心に-
②黒曜石の一括埋納例 原村の遺跡から                平出一治
③岡谷市の黒曜石一括埋納例について                 会田進
コメント・星糞峠黒曜石採掘址と近接地における原石利用の様相     大竹幸恵
    ・山梨県の黒曜石一括埋納について              村松佳幸
    ・弥生時代中部高地における黒曜石集積出土例について     馬場伸一郎

2012年度の第4回黒曜石フォーラムのテーマは、「黒曜石の研究は考古学に何をもたらすのか」です。黒曜石の理化学的あるいは考古学的分析が人類の歴史の復元にもたらすもの、黒曜石をめぐる研究の現在の到達点、そして、今後の黒曜石研究の方向について論議します。

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