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人材育成の理念

明治大学大学院文学研究科では、これまでに、史学・文学や日本・外国という壁を越境した科目として「総合史学研究」「総合文学研究」(博士前期課程)および「文化継承学」(博士後期課程)を設置し、個別の学問領域から脱却した新しいタイプの人材育成を目指してきました。高度な専門性を獲得した代償として個別分散化がますます進展している人文系の学問では、個別の立場・専門に偏らない、グローバルな研究視座を持つ人材を育成することが急務となっています。本プログラムは、本研究科でこれまで多くの実績を挙げてきた「日本古代学研究」に特化して、個別分散的かつ「内向き」になりがちな教育課程からの脱却を、より一層推進しようとするものです。

複眼的日本古代学とは?

ここで言う「日本古代学」は、弥生から平安時代に至るまでの日本列島の社会と思想・文化の諸段階を、グローバルな視座から総合的に把握しようとするものです。その際に有効かつ重要なのは「複眼的」アプローチです。これは、史学・文学という学問領域を越境した学際性と、国家単位に区切られた研究の枠組みから脱却した国際性を備えた視座です。自らが主とする研究分野が扱ってこなかった史・資料(作品)を解析する能力と、近代国民国家が自明としてきた研究範囲や権力構造の中心性に規制されない柔軟な視座、これらを合わせ持つ人材を育成することが目指されます。今後の「日本古代学」を担っていくのは、「複眼的」視座を持つ人材なのです。

教育課程の整備

上記の目標達成のため、すでに実績のある「総合史学研究」「総合文学研究」「文化継承学」の一層の充実と拡充を行います。また、特色あるプロジェクト系科目を新たに配置する他、韓国・東北日本・西南日本のフィールド調査を伴う特別学修プログラムを立ち上げます。これらは異なる研究分野に属する複数の教員の指導のもとで実施されます。さらに、研究支援員とRAを雇用し、各種史・資料の読解と解析のための技術的・方法論的訓練を支援します。このような教育課程の整備により、「複眼的」視座を身につけた博士学位の取得者を輩出することを目指します。

複眼的日本古代学研究の人材育成プログラム