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『明治大学小史』刊行の意義

2011年10月13日
明治大学

「〈個〉を強くする大学130年」(写真左)と「人物編」(写真右)「〈個〉を強くする大学130年」(写真左)と「人物編」(写真右)

 「明治大学130年」といっても、明治大学関係者のなかでもその歴史を知っている人は少ないと思います。たとえば、創立者3名のうち、岸本辰雄(敬称は略します)の名前は知っていても、他の宮城浩蔵と矢代操の名前がいえる人はそう多くないでしょう。グローバル化がすすむなかで、ローカルな大学の歴史を知って何になる、それよりも世界へ、未来へという「歴史離れ」現象がおきていることは事実であるように思います。

 

 しかし、一般化と平準化が進行しているからこそ、特殊化と個性化が大事になるという弁証法をしることも大切であります。800近い日本の大学のなかで、明治大学は、創立とその歴史において、おそらくユニークさを誇る数少ない大学であります。戦後の新制大学の発足において、大学は個性を無くすことを求められ、「偏差値」だけが大学を評価する基準とされてきた感じがします。「大綱化」以後、事態は急変して大学は人材育成の「個性」を求められる時代になりました。

 

 「創立130年」を記念して、大学史資料センター編『明治大学小史』、「〈個〉を強くする大学130年」と「人物編」の2冊が学文社から刊行されました。さらに、通史編の英語版、中国語(簡体字・繁体字)版、ハングル版の4冊が印刷中であります。とりわけ、「人物編」では、「アジア人留学生」の項目を設け、「明治」で学んだ中国と朝鮮からの出身者11名をとりあげました。

 

 明治大学130年の歴史は、負の遺産を含みながらも、これからの個性化とグローバル化に耐えうる歴史をもってきました。未来をみすえることは、「伝統」を発見することでもあります。


《参考》 

明治大学ホームページ

大学史資料センター
http://www.meiji.ac.jp/history/

『明治大学小史−〈個〉を強くする大学130年−』の刊行について
http://www.meiji.ac.jp/koho/hus/html/dtl_0005847.html