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学長室

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)事務局長による講演会を開催

2018年12月11日
明治大学 学長室

難民支援の重要性を訴えるクレヘンビュール事務局長難民支援の重要性を訴えるクレヘンビュール事務局長

学生を中心に多くの来場者が集まり、会場は満席となった学生を中心に多くの来場者が集まり、会場は満席となった

パネルディスカッションでは会場フロアとの活発な質疑応答を行ったパネルディスカッションでは会場フロアとの活発な質疑応答を行った

パレスチナ難民支援と日本:今我々にできること
クレヘンビュールUNRWA事務局長が講演

 パレスチナ難民に教育や医療の支援を行う国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA: United Nations Relief and Works Agency for Palestine Refugees in the Near East)のピエール・クレヘンビュール事務局長が2018年12月4日、「激動する中東:未曽有の危機と向き合うUNRWA」をテーマに駿河台キャンパス・グローバルホールで講演しました。
 1948年の第一次中東戦争、イスラエルの建国により故郷を追われたパレスチナ難民。その数は、70年が経過した現在でも世代を越え540万人に上っています。1949年に設立されたUNRWAは、日本を含む援助国の任意の拠出金を原資として、難民の保護と救済のために教育や保健医療、社会福祉などの基礎的なサービスを提供しています。
 しかし、2018年、トランプ政権の方針転換によりアメリカからの資金援助停止が発表され、財政危機に見舞われています。

 クレヘンビュール事務局長は、日本政府からの長きにわたる支援に謝意を示した上で、アメリカ政府の対応や、政治的問題により難民を支援できなくなる状況を批判しました。さらに、難民一人ひとりの尊厳が守られるべきであること、身近な問題として捉えるべきであることなどを訴え、「UNRWAが50年先もあってはならない。すべてが豊富になるための活動を決して諦めず、緊張感をもってやっていきたい」と講演を締めくくりました。
 続いて行われたパネルデスカッションでは、NHK解説委員室解説主幹の出川展恒氏を進行役として、一般社団法人ソーシャル・イノベーション・ワークス代表理事の上川路文哉氏、ICEJ Inc.代表の山本真希氏、独立行政法人国際協力機構参事役の阿部俊哉氏が登壇し、それぞれがパレスチナで行う取り組みについて紹介するとともに、国際機関、行政、企業、民間の視点から議論を深めました。
 明治大学では、2010年からの「国連アカデミック・インパクト」の参加に続いて、2011年から難民高等教育プログラムにおいて14人の難民学生を受け入れています。また、難民映画祭の実施や「国際協力人材育成プログラム」の取り組みなど、国際的な課題を解決できる人材の育成を行っています。