指数関数的な加速度を示しつつ進歩を遂げている近年のテクノロジー──。その象徴と言えるものが、ICT、IoT、AIです。今、これらの技術は、これからの少子高齢・人口減少社会における様々な社会的問題を解決するための現実的な手段として期待されています。
このICTやAIを用いて問題解決を試みようとする波は、医学・医療の分野にも押し寄せてきています。たとえば、昨年6月、厚生労働省「保健医療分野におけるAI活用推進懇談会」が報告書を公表しました。そこでは、2019年度中にAIによる画像診断技術を確立し、2020年度以降、実用化を目指すとされています。
しかしながら、AIは医療において何ができるのか、そもそもAIとはどのようなものなのか、一部の専門家を除き、まだあまり理解されていない状況にあります。
そこで、このフォーラムでは、否応なく押し寄せてくるAIの波を目の前にして、今後、AIは医療にどのように関わってくるのか、AIにより医療はどのように変わるのか、そしてその先は……などについて、最先端の内容にも立ち入りつつ、参加者とともに多角的な観点から考えてみたいと思います。
はたして、AIは、医療の──そして私たちの──新たな希望の光となるのでしょうか?
國學院大學法学部卒業後、明治大学大学院博士後期課程法学研究科を単位取得退学。筑波大学人文社会科学研究科准教授を経て現職。日本臨床細胞学会臨床試験審査委員会顧問や東京都メディカルコントロール協議会専門委員会委員なども勤める。研究分野は医事法。著書に、『医と法の邂逅』など。