e-sportsの世界的な隆盛は、現在のデジタルゲーム産業をめぐる最大のホットトピックの一つである。我が国でもIPホルダー主導による統一団体の設立などを機に、様々な事業主体の参入や国際スポーツ大会での競技採用が相次ぎ、日々新たな話題が提供されている。
その一方で、デジタルゲームによる競技を「スポーツ」と同列の営みとして捉えられることへの社会的な反発も根強く、業界やコミュニティ側と熱気と一般世間の無理解・無関心との齟齬は、e-sportsの発展にとって最大の障壁になっている。
こうした現状を鑑みるとき、e-sportsという新たな競技文化が発展していくためには、どのような努力が必要なのか。
その魅力や将来性を第一線の事業者たちに訊きつつ、ゲームとスポーツの相同と相異、メディアイベントとしての特性、そして社会文化的な意義などを、ゲーム/スポーツのそれぞれの専門研究者をまじえて改めて本質的に問い直しながら、「e-sportsのある社会」の未来を探っていく。
ゲーム、アニメ、テレビドラマなどのカルチャー/テクノロジー分野を主領域に、人類学的・文明論的な視座からの批評・研究活動を行う。批評誌「PLANETS」副編集長。主著に『現代ゲーム全史———文明の遊戯史観から』。