シンポジウム:「知」のリブランディング――人工知能時代の「人知」と「身体」、そして大学の意味を考える

11:20~12:20
アカデミーコモン3F メインステージ
コーディネーター:門脇耕三

昨年からの継続イベントとして、現代における「知」のありかたを議論する。
本年度は、情報技術の飛躍的発展を背景として、計算機が知を実装しつつあるように見える現在の状況を踏まえながら、知の生産主体としての人間の「身体」の意味を考えたい。人体は、古典的には、知を司る脳と運動を司る身体の二元論的に捉えられることが多かったが、インターネットの発達などにより、身体に接続された脳、さらには身体をインターフェースとした環境までをネットワークと考え、このネットワークそのものを知的なユニットと見なすことも多くなってきている。こうした知の捉え方においては、身体も知の産出を担っているのであり、人間という知的生産主体は、固有の身体を持つことによってユニークな存在たりえていると考えることができる。このシンポジウムでは、こうした認識に立った上で、身体をその一部として備えた人間という情報ネットワークが産出する知=人知と、その主体である人間存在の現在的意義について考える。
また、このように「知」のあり方が変わりつつある現在、大学というプラットフォームはどのような役割を担い、「知」の創出に対してどのように貢献すべきか、議論を行う。

門脇耕三

(c) SHINTO TAKESHI

門脇耕三(理工学部専任講師、明治大学出版会編集委員長)

建築家・建築学者。1977年生まれ。2012年より現職。専門は建築構法、建築設計。効率的にデザインされた近代都市と近代建築が、人口減少期を迎えて変わりゆく姿を、建築思想の領域から考察。著書に『シェアの思想』〔編著〕(LIXIL出版、2015年)など。

他参加予定者
宇野常寛
宇野常寛(評論家/批評誌〈PLANETS〉編集長)

1978年生まれ。著書に『ゼロ年代の想像力』(早川書房)、『リトル・ピープルの時代』(幻冬舎)、『日本文化の論点』(筑摩書房)、『母性のディストピア』(集英社)、石破茂との対談『こんな日本をつくりたい』(太田出版)など多数。京都精華大学ポップカルチャー学部非常勤講師、立教大学兼任講師もつとめる。

土屋恵一郎
土屋恵一郎(法学者・演劇評論家/明治大学学長・法学部教授)

1977年明治大学大学院法学研究科博士課程単位修得退学。同大法学部教授、法学部長、教務担当常勤理事を歴任。専門は法哲学、近代イギリス思想史。能などの演劇評論でも知られる。