学長室

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『第52回全国校友鳥取大会 来なんせ、鳥取!』 祝辞 

2016年11月12日
明治大学 学長室

全国校友鳥取大会の開催おめでとうございます。このために鳥取県の校友の皆さまが多くの力を尽くし、見事に開催にまで至ったことに、深く敬意を表します。母校明治大学を絆にして私たちは時間を超えて集い、記憶のうちで青春をもう一度感じ取ります。肩を組んで校歌を歌えば、じわっと涙が出そうになって、「いやそれは知性が許さない」とぐっと我慢してもやっぱり涙が出る。それが校友大会です。帰ってこない日々への郷愁があり、今ここで、その日々をしっかり抱いていることへの喜びがあります。だからこそ校友大会は素晴らしい。知性なんか放り出して、ノスタルジーに浸り、胸いっぱいに青春を抱きしめよう。
 
全国校友鳥取大会には、もう一つ大きな意味があります。言うまでもなく、鳥取県は明治大学創立者三人のうちの一人、岸本辰雄博士の出生の地です。明治23年に書かれた帝国議会議員候補者列伝において、岸本博士についてこう書かれています。

「君嘉永五年を以て因州鳥取に生まれ藩の学館に入りて広く文武諸道を修め殊に天下に先んじて蘭式軍法を学び敏活勇毅を以て夙に一藩に名あり」
嘉永五年は1852年です。この嘉永5年6月にオランダ領インド総督は幕府に書簡を送って、アメリカ使節ペリーが開国を促すために日本に向かっていると報じたのです。岸本博士はまことに、明治維新へと向かう日本の黎明期に鳥取に生まれ青春の凛凛たる日々に入って行くのです。

さらに博士はパリ大学に学び、「仏国自由の空気中に起臥し且該国諸政事家と交わりしを以て大いに進歩主義を懐くも」と先の列伝には書かれています。またこうも言うのです。フランスの進取の気質を尊び、イギリスの沈着なる精神を重んじたと。それこそ、明治大学を作った精神でした。

岸本博士への社会的評価は、博士の校長講話に現れています。博士は過去の封建的社会の従順さに批判の眼を向け、独立した人格を重んじて、学生の主体的な勉学こそ大事であると言っています。そして「放任主義」こそ、明治大学の教育方針であると言っているのです。面白いですね。現在の教育において、「アクティヴ・ラーニング」という主体的学びが大学教育の潮流になりつつありますが、岸本博士の「放任主義」はまさしく「アクティヴ・ラーニング」の先駆でした。

全国校友鳥取大会は、創立者岸本辰雄博士の思想に立ち返り、現在の大学教育の在り方に思いを馳せる機会になります。肩を組み、「権利自由の揺籃の」と歌うとき、その歌の輪の中心には、岸本博士の精神の若々しい花があるのです。
そのことを思い起こさせてくれる、全国校友鳥取大会と鳥取の校友の皆さまに改めて、感謝申し上げます。皆さま、心からありがとうございました。

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