現代法入門

ハーメル駐日オランダ王国特命全権大使特別講義
The Creation and Development of International law in Europe
〜from Hugo Grotius to EU Treaty〜

6月15日、アカデミーホールにおいてアルフォンス・ハーメル駐日オランダ王国特別全権大使特別講義が開催されました。本講義は、長年国連・EUなどの国際的舞台でご活躍なさってきたハーメル大使に、「是非法学部で国際法のお話を」、とお願いしたところご快諾頂き、1年生の必修科目・現代法入門の特別講義として開催する運びとなったものです。「欧州における国際法の成立・発展：グロティウスからEU条約まで」と題された講義は、日蘭関係史、国際法の歴史から、EUの成立・展開という現代的な問題までを幅広く扱う内容で、たいへん密度の濃いものでしたが、大使はその穏やかな語り口で非常に分かりやすく、それぞれの論点についてご説明くださいました。講義後の質疑応答では、150にものぼる学生からの質問のなかから、アジアでEUのような統合がアジアにおいて可能か、日本が国際社会においてどのような軍事的貢献ができるか、ヨーロッパはイスラムとの共存は可能か、といった問題について、大使は丁寧にお答えくださいました。また、質問への回答のなかで大使は、イラン研究者から外交官に転進された敬意や、駆け出しの外交官としてイラン革命時のテヘランで経験した困難など、貴重なエピソードもご披露くださいました。 　今回の特別講義は、日ごろ国内法の勉強に偏りがちな法学部1年生にとって、知識の裾野を広げる良いきっかけになったことでしょう。また、国際的な活躍をなさっている方が英語で講義をして下さったということも、新鮮だったかもしれません。いずれにせよ、学生から数多くの質問が大使に寄せられたことは、様々な意味で彼らが多いに刺激を受けたことを示すものと思われます。このように学生への刺激となる機会が、今後も継続的に持つことができればと思います。	ハーメル大使と納谷学長
	オランダ王国の紹介を行うハーメル大使
	貴賓室にて
	花束を受け取るハーメル大使