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問題分析ゼミナール(3年生)紹介[中里 裕美]

明治大学情報コミュニケーション学部 分析ゼミナール(3年生)紹介
中里 裕美 准教授
(主要担当科目)ネットワーク社会論

≪学生へのメッセージ≫

 とくに実社会における人と人とのつながり(=社会ネットワーク)に焦点をあて、それを認識し、理解を深めてもらうとともに、それが自身や集団/組織、ならびに地域社会にもたらす種々の効果(サポートの授受、震災復興など)について事例研究をしています。
■研究テーマ
  社会ネットワーク〈つながり〉の研究
■研究内容
 近年,「無縁社会」が叫ばれるなか,人づきあいの希薄化やその欠如から生じる種々の社会的な課題が顕在化しています。本ゼミナールでは,ゲオルク・ジンメル(社会学者であり哲学者でもある)の昔から探求されてきた〈つながり〉にかんする研究を中心に展開します。本ゼミナールで扱う〈つながり〉は,人を単位としたつながりを中心としますが,取引関係にある企業同士のつながりや人がある組織に所属したりするような関係,あるいは国家間の関係といった様々な領域における〈つながり〉も対象にしますので,それらに興味のある学生も歓迎します。
 また受講生には,社会科学におけるつながりにかんする理論研究のみならず,たとえば,地域コミュニティにおける住民間のつながりを構築・促進するような具体的な事例(地域通貨活動やコミュニティ・カフェなど)に対する社会調査(フィールドワーク調査やアンケート調査)を行ってもらうことを予定しています。
 ゼミナールの進め方としては,次のとおりです。3年次には,全員で共通文献を輪読し,社会ネットワーク〈つながり〉にかんする基礎知識,ならびに〈つながり〉を科学的に分析する手法である社会ネットワーク分析について学びます。そのうえで,それぞれの興味・関心別のグループにわかれてテーマを選定し,研究を進めてもらいます。4年次は,3年次に身につけた論文作成,ならびに社会調査法や社会ネットワーク分析にかんする知識を土台に,自らが選択したテーマで研究を進め,その研究成果を卒業論文としてまとめてもらいます。
 
その他(学生へのアドアイス)
  社会ネットワークの基礎を学ぶうえで「ネットワーク社会論」の授業が役に立つので,本ゼミナールとあわせて履修されることをお勧めします。また,本ゼミでは,文献を用いた研究のみならず,受講生には社会調査(質的・量的調査)の手法についてしっかりと学んでもらう予定です。そのため,「社会調査実習」を受講予定である者,ないし社会調査にも積極的かつ主体的に取り組む意欲のある学生の参加を歓迎します。