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問題分析ゼミナール(3年生)紹介[関口 裕昭]

 明治大学情報コミュニケーション学部 分析ゼミナール(3年生)紹介
関口 裕昭 教授
(主要担当科目)比較文化・比較文学

≪学生へのメッセージ≫

 メルヘンというと、みなさんは何を思い浮かべますか? 子どもの頃、お母さんに『グリム童話集』の「白雪姫」や「赤ずきん」を語り聞かせてもらった人もいることでしょう。この『グリム童話集』は実はグリム兄弟が書いたものではなく、ドイツ各地に広まっていた口承の伝説を、グリム兄弟が聞き取り、記録して1812年に出版したものが最初です。本ゼミナールではグリム童話の原典を(日本語訳で)読み、それを巷に流布している絵本やディズニーなどの映画化作品と比較することから始めます。次にそのシンボル(例えばリンゴ)や歴史的背景を考察し、ほかの物語についても同様のことを行います。さらに現代のメルヘンにも視野を広げ、ミヒャエル・エンデの『モモ』や『はてしない物語』も考察します。文学好きの人も、これから初めて文学を読もうという人にも、楽しく学べるゼミです。
■研究テーマ
前期:メルヒェン研究/後期:映画と文学の比較研究
■研究内容
比較文学入門—グリム童話からカフカまで~
 グリム童話集の「赤ずきん」や「いばら姫」を例にとり,版を重ねていくにつれ変化することを学び,あわせてディズニ—などの映画や様々な絵本と比較検討します。さらに「変身」をはじめカフカの短編を読み,映画やアニメと原文(翻訳)を比較考察します。希望に応じて他の現代の作品(『帰ってきたヒトラー』,『朗読者』)なども取り入れます。
(ただし学生側の希望や諸事情により,上記の内容が変更されることもあります)

比較文化入門—ウィーン/東京の都市形成と文化の比較~
 世紀末ウィーンの華々しい文化が開花した背景を,都市空間の特徴から考えます。2年間のウィーンでの生活についてもお話し,皆さんの留学や旅行のお手伝いをします。授業ではテクストを輪読し,東京と比較するためにフィールドワークも行います。
■ゼミの特長
① 文章力が飛躍的にアップします。(ゼミ生は書評コンテストなどで入賞しています)
② 文化に触れる機会が格段に増えます。(これが一番よかったとの声も卒業生からあります)
③ 少人数制なので,個性が発揮されます。(逆に言うと,さぼるのが難しいとも言えるでしょう)
その他(学生へのアドバイス)
 成果や結果のみを求める,見せかけだけの「リア充」路線の生活から脱出して,文化的で心にゆとりのある生活を一緒にめざしてみませんか。