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問題分析ゼミナール(3年生)紹介[脇本 竜太郎]

明治大学情報コミュニケーション学部 分析ゼミナール(3年生)紹介
脇本 竜太郎 准教授
(主要担当科目)社会心理学/情報行動の心理学

≪学生へのメッセージ≫

 ゼミ生自身が研究者となり,社会心理学の研究を行います。具体的には,先行研究の調査,問題の設定,問題を検討するための研究計画の立案,調査あるいは実験の実施,データ分析と解釈,論文執筆を行います。研究者として,主体的に取り組むだけではなく,社会的責任を引き受けることも求められます。
■研究テーマ
社会心理学(特に防衛性からの人間及び社会理解) 
■研究内容
 人は時に非理性的で不合理な行動をとり,そのことが様々な社会問題に繋がります。そのような行動が生じる原因の1つに,人の心の脆弱性と防衛性があります。人の心は様々なことに脅かされやすく,それらの脅威から自分を守るための防衛反応として,不合理な行動が起こるのです。例えば,外集団に対するステレオタイプ,偏見や差別は,自分の価値が脅かされたと感じた時に強くなります。無実の被害者を非難する不合理な反応も,世界が公正な場所であるという信念(公正世界信念)が脅かされたときに生じやすいものです。また,デマを信じてしまうことは,不確実性への恐怖に対する防衛という点から解釈することができます。
 本ゼミでは,人間の心の脆弱性や防衛性が様々な社会問題に及ぼす影響を理解し,そのような影響を低減する方策と,より生産的な心的防衛のあり方について,実験や調査を通じて検討することを目的とします。存在脅威管理理論,公正世界理論,格差の合理化,ステレオタイプ,差別,自尊感情の不安定性,ノスタルジーなどが主要な研究キーワードです。これ以外のテーマでも,熱意をもって取り組むのであれば歓迎します。
 運営の基本方針として,皆さん自身が研究者となり研究を行うリサーチャーライクアクティビティの形式をとります。3年次には前期に文献の輪読やレジュメ発表を行いながら,取り組むテーマや問題意識を明確にしていきます。後期にはグループもしくは個人で作成した研究計画案を,ゼミでの議論を通してブラッシュアップしていきます。4年次には吟味した計画に基づいて研究を実施し,その結果を卒業論文にまとめます。適宜,研究法や分析方法についてのレクチャーも行います。
 このような活動を通して,社会心理学的なものの考え方,データを正確に解釈する力,内在的な批判を行う力,論理的説明力を身につけてほしいと考えています。
その他(学生へのアドバイス)
 社会心理学A・Bを受講して,社会心理学のテーマや手法についてある程度知識を得ていることを前提に進めます。統計学に関する知識や論理的な文章の書き方を身につけているとなお望ましいです。