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情報コミュニケーション
学部

2016年度カリフォルニア州立大学モントレーベイ校短期留学プログラム実施報告

2016年10月11日
明治大学 情報コミュニケーション学部事務室

スタンフォード大学にてスタンフォード大学にて

インテルにてインテルにて

ノーマン・ミネタ先生とノーマン・ミネタ先生と

サンノゼ日系人博物館にてサンノゼ日系人博物館にて

CSUMB(研修校)にてCSUMB(研修校)にて

SNS上のスタンプについての日米比較のワークショップ中1SNS上のスタンプについての日米比較のワークショップ中1

SNS上のスタンプについての日米比較のワークショップ中2SNS上のスタンプについての日米比較のワークショップ中2

モントレーのダウンタウンにてモントレーのダウンタウンにて

パシフィック・グローブにてパシフィック・グローブにて

インテル博物館にてインテル博物館にて

日系人の歴史についてCSUMBの学生の前で発表中日系人の歴史についてCSUMBの学生の前で発表中

グーグルにてグーグルにて

 「グローバル化」と「多様性」。昨今、大学界でこれらの言葉がやかましいほど聞こえてくる。これらからは、世界が一つになり、皆がそれぞれを尊重し合って、仲良く暮らす、といった理想を想像する向きもあろう。ただ、筆者の長年に及ぶ国内外での記者経験からすれば、現実社会でのグローバル化とは弱肉強食の極度な競争社会化であり、多様性とは真の合意には縁遠い百家争鳴状態を指す。個をしっかりと持ち、自己表現をし、主体的に行動できなければ生き抜けない、そうとうしんどい世界である。

 このプログラムは将来、海外での長期留学や就職に目を向かせることを一つの目的としている。筆者の約10年の米国滞在でもっとも苦労したことは語学でも、専門分野の学習でもなかった。それは、人前で自分の意見をしっかりと伝えるという自己表現だった。そして、自らの意思で行動すること。これらからグローバル化と多様性を理解することに主眼を置いた。このため、ホームステイを通じて米国人との交渉の難しさを肌身で感じ、グーグル社の企業訪問や現地大学生とのディスカッションで自己表現を学び、週末の過ごし方を主体的に考えて行動させ、移動はできる限り公共交通機関を調べて利用することにした。

 たとえば、複雑なバス路線図を見て自分の行きたい場所までの経路を見つけ、バス停を探してさまよい、運賃の支払い方法がよく分からぬままバスに乗り込み、車窓から目的地の目印を探し続け、隣にいる乗客になれない英語で降車のバス停について教えてもらい、近づいたら呼び鈴を鳴らしてバスを降りるという一連の行動は、海外が不慣れな学生にとっては大きな冒険だ。実際、言葉もなかなか通じぬ、見ず知らずの土地でこれらを学生が主体となってやろうとすると、とても難儀だ。こう書くと、「なにを大げさな、そんな簡単なこと」とおしかりを受けるかも知れない。

 本プログラムは8月27日から9月18日までの約3週間、米国西海岸カリフォルニア州のモントレーに位置するカリフォルニア大学で英語と米国文化を学修しながら、グーグル社の企業訪問をはじめ、インテル博物館、日系人博物館、モントレーベイ水族館、スタンフォード大学、サンフランシスコ市内の各見学を組み合わせた。なるべく学生の主体的な行動を尊重することにしたのだが、それを見守りながらサポートする引率者としては気苦労が積み重なったのは事実である。たかが3週間程度の短期留学で英語をマスターなどかなうはずもない。それよりも、このプログラムで参加学生が見知らぬ土地で他人に自分の考えをきちんと伝え、自ら主体的に行動するという「自由」を享受できたならば幸いである。

【プログラムスケジュール(一部紹介)】
8月27日(土)サンフランシスコへ出発、スタンフォード大学見学
8月28日(日)インテル訪問、及びサンノゼ日系人博物館見学
8月29日(月)~8月31日(水)カリフォルニア州立大学モントレーベイ校(CSUMB)プログラム参加
9月1日(木)CSUMBプログラム参加,ワークショップ
9月2日(金)サンフランシスコ観光
9月3日(土),9月4日(日)自由行動
9月5日(月),9月6日(火)CSUMBプログラム参加
9月7日(水)モントレーベイ水族館見学
9月8日(木)CSUMBプログラム参加,ワークショップ
9月9日(金)コンピュータ歴史博物館,GOOGLE本社訪問
9月10日(土),9月11日(日)自由行動
9月12日(月)~9月16日(金)CSUMBプログラム参加
9月17日(土),9月18日(日)サンフランシスコ出発,帰国


<参加学生の感想>
・私がこの研修で一番ためになった出来事は、Googleの見学です。私は今までテレビのディレクターになりたいという将来の選択肢以外考えたことがありませんでした。なぜなら、日本の会社はあまり自由な印象がなく、普通の会社では働きたいと思えなかったからです。しかし、今回Googleに訪問して、自由な社風や社員が会社に執着せずやりたいことをやっている姿にとても感銘を受け、このような会社で働くのもひとつの手であると感じることができました。今まで一つの道しか考えていなかった私にとってはとても大きな経験でした。(1年女子)

・今回の留学を通して日本という国の良さを発見することもできました。例えば食文化についてです。アメリカではハンバーガーやピザがメインで約三週間の滞在でも後半のほうは飽きてしまいました。アメリカに行く前は日本のようないろいろな食べ物があるのが当たり前だと思っていました。そうした自分の中の固定観念を変えることができたのも今回の留学のおかげです。留学に行こうと決心するには勇気が要りましたがあの時に留学に行こうと決心して良かったと今は思います。(1年男子)

・私が最も良い経験であったと感じることはホームステイをしたことです。私のホストファミリーはアフガニスタン人の方でしたが、この方はアメリカとアフガニスタンの両方の文化を知っているので、私は両国の文化に触れることが出来ました。また、アメリカには様々なバックグラウンドを持つ人が多く存在するということをホームステイから学ぶことが出来ました。留学を終え、行く前よりも自分が何倍にも成長出来たことに感謝しています。(1年女子)

・現地の学生の前でプレゼンテーションを行った際にも質問が飛び交い、日本の教室ではあまり見ることのできない光景とアメリカ人の自分の意見をきちんと持って発言することに感銘を受けた。何事もなかったかのように20分遅れるバスにも初めは困惑したが、このように色々な面で日本人のきっちりさや周りに流されてしまう未熟さを体感したと同時にアメリカはこういうところなのだと日本以外の他文化を受け入れる楽しさを感じた。自分を見つめなおす良いきっかけが至る所で出来、参加できて本当に良かったと思う。(1年女子)

・ホームステイという体験は、自分の中ですごく衝撃的であったし、ためになる良い経験となった。それは、ただ単に英語力の向上だけでなく、自己主張や自立といった日本にいては身に付けづらいものの成長に大きく貢献するものであった。また、アメリカ人の生活を直に体験するため、習慣や考え方を理解することにもつながった。グーグル研修では、社内の見学及び、実際に働いている方のお話しを聞くことができた。それは、とても有意義な時間で、グーグルという企業の雰囲気を感じることができたし、基本的な勉強の大切さを改めて感じさせられた瞬間でもあった。(2年男子)

・たった三週間のプログラムではあったが、現地の人との交流は自分の中の異文化理解への関心を高め、英語でコミュニケーションを取ることの楽しさを知れた。自分のつたない英語でも何とか現地でやって行けたというのは少なからず自信へ繋がりもし、語学留学へのモチベーションも高まった。「いきなり長期留学は不安…」と思っている人への最初の一歩として、非常に良い機会となるプログラムであると思う。(2年女子)

・私は今、大学3年生で今年の冬から就活が始まるが、自分将来やりたい仕事見つけていなかったため、今回の留学を通じて、視野を広げたいと考えていた。今回のプログラムはカリフォルニア州のモントレー市で研修することであり、モントレー市もアメリカの中で最も安全な都市なので、安心できる学習環境であった。最初の頃は、学校も普段の生活も慣れないことばかりだった。しかし、一番大変だったことは、自分が言いたいことが全く言えないということが頻繁にあったことだ。次第に生活に慣れていき、友達ができたり、学校以外でもイベントに参加したり、学生センターでアメリカの学生とゲームしたりして、毎日の生活が楽しくなっていった。他の語学学校と違い、現地の学生と接する機会もたくさんあるので、非常に良かったと私は思う。(3年女子)

・今回の研修は、長期留学・海外就職の夢が鼓舞されるプログラムであった。また、研修参加者に自律して活動する機会が多く与えられ、自立した個を育てる、という明治大学の気風が色濃く反映されていた。(3年男子)