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認定NPO法人 ブリッジ エーシア ジャパン(東京・渋谷区)を訪問



5月28日(金)、認定NPO法人 ブリッジ エーシア ジャパン(東京・渋谷区)を訪問し、お話を伺いました。

(1)組織・活動概要
特定非営利活動法人 ブリッジ エーシア ジャパン(以下、BAJ)は、社会的に弱い立場にある人たち、とくに女性、障害者、帰還民や国内避難民、低所得層などの自立を支援するために、
① 技術習得の機会や能力強化の機会を設ける
② 技術を収入に結びつける場を提供する
③ 生活環境の整備と地域活性化を図る
ことを目標として、ミャンマー、ベトナムで活動を行っているNPO法人です。

主な活動の形態としては、
① 資金支援(奨学金事業を含む)[「南」(いわゆる途上国)の人々が必要とする資金を提供する形の協力]
② 物資供与[「南」の人々が必要とする物資を提供する形の協力]
③ 人材派遣[技術を持った専門家や現地事務所責任者、プロジェクト調整員やインターンなどを日本や他の国々から派遣する形の協力]
④ 緊急救援[自然災害(洪水、サイクロン、地震等)や人災(紛争等)によって、生命を脅かされた人々(被災民、避難民等)を当面の脅威から救うために、緊急に物資供与、人材派遣、インフラの修復・再建、情報提供などを行う形の協力)]
⑤ 調査研究[現地が抱える問題や課題、また国際協力に関連する海外での調査研究活動を行うことによる協力]
⑥ 技術移転/OJTで住民参加を促しながら、橋梁建設、大工、左官などの技術を移転し、収入向上につなげる。あるいは、機械整備、裁縫、機織り等の職業訓練を行って所得向上を図る。]
などがあります。

(2) 聞き取り調査
(質問:Q)現在の活動の場はミャンマー・ベトナムとのことですが、他の国にも活動の場を広げる可能性はあるのでしょうか。
(回答:A)以前活動を行っていたスリランカや他のアジア諸国で活動していく可能性もありますが、そのためには、国内でさらに広報活動を行い、より多くの方々にBAJの活動を理解していただき、活動資金を確保していく必要があります。

(Q)文化の違う国の人々に、日本人的な考えをもってして相手に接しているのでしょうか。
(A)なるべく現地の人々の文化・習慣を理解し、それに合わせて活動する必要があります。ただし、イスラム教徒の男性が、女性が外で訓練を受けたり働いたりすることに不満を持っているような場合には、話し合いを重ねて、女性が能力を向上させたり収入を得たりすることの重要性を理解してもらえるようにしています。

(Q)自立の促進を目的としてOJT方式を採用されていますが、インフラ整備に関する技術を取得する事は簡単なことではないと思います。現地の人々がそういった技術を身につけるまでには、どれくらいの期間が必要なのでしょうか。また、技術取得や能力強化の機会を提供された現地の人々は、やはりとても熱心に取り組まれているのでしょうか?
(A)ある程度の期間が必要で、数か月~数年間かかることもああります。機会を得た人々はとても熱心に取り組んでいます。現地ではなるべくハイテク機械は使わずに、現地で入手できるものを使って技術習得のサポートができるようにしています。

(Q)寄付や会員などの個人の支援方法がありますが、参加人数はどれくらいいるのでしょうか。
(A)現在、様々な方々からご寄付をいただいていますが、会員数は減ってきていて、200名ほどです。マス・メディアでの活動紹介など、常に注目を集める工夫が必要です。現在の広報の手段としては、マス・メディアでの情報発信のほか、活動報告会、各種イベント、大学での講義、学生や修学旅行中の生徒の受入れ、ウェブサイト、ブログやツイッターなどがありますが、さらに広報のチャンネルを増やしていきたいです。

(3) 学生の感想
・ブリッジ エーシア ジャパンは、「なぜミャンマーのような軍事政権の国で活動するのか」というような批判を受けたこともあるそうですが、インタビューを受けてくださった職員の方が、「軍事政権を支援しているわけではなく、その下で困窮している人々を支援するために私たちは活動しています。ミャンマーのような国だからこそ、そこで活動する意義があります。」という話をされたのがとても印象的でした。BAJの職員の方々は本当に使命感を持って働いていることがすごく伝わった言葉でした。
・今回のゼミ訪問を通して、些細なことでも自分に出来ることがあるということに確信が持てたので、自分も行動に移して行こうと思いました。

BAJのみなさん、お忙しい中インタビューに応じていただき、まことにありがとうございました。ご協力に深く感謝申し上げます。(村田)


実施日 2010年5月28日
実施場所 認定NPO法人 ブリッジ エーシア ジャパン(東京・渋谷区)
担当教員 小関隆志