経営学部

フィールドスタディC(北京・上海:カク先生)実施報告

2016年06月18日
明治大学

北京経済貿易大学でのプレゼンテーション北京経済貿易大学でのプレゼンテーション

北京経済貿易大学にて北京経済貿易大学にて

花王の上海工場にて花王の上海工場にて

蘇州の同里を観光蘇州の同里を観光

目的
①事前に既存参考文献をもとに在中日系企業の人材マネジメントについて研究した上で立てた仮説を実際に企業訪問して検証する。
②企業訪問を通じてインタビュー能力等の情報収集能力を向上させる。
③ビジネスの最前線を肌で感じることで生の経営学を学ぶ。
④社会見学を通じて中国の文化や歴史を感じ、中国という国についての理解を深める。

報告
 5月7日、成田空港から北京首都空港へと向かった。地下鉄に乗る際に荷物検査が行われ、ホームドアが全面設置されていた。道路は歩行者優先ではなく日本よりも自動車の走行速度が速いため、道路を歩く際には細心の注意を要した。レストランやコンビニエンスストアの飲食物が非常に安く、中国に着いて早々に日本との違いを感じた。
 8日、午前は中国の歴史を感じるべく清代における皇帝の庭園と行宮で、1750年に建築が開始された頤和園を観光した。午後は、北京オリンピックの舞台となった北京国家体育場(通称:鳥の巣スタジアム)を社会見学した。
 9日、午前は北京経済貿易大学の学生とお互いにプレゼンテーションを発表し合った。その後、学食で共に昼食を食べた。これらの交流を通じて異国の大学生と趣味やお互いの国のこと、経営学についてなど多岐にわたる内容を話せて非常に有意義であった。また、彼らの英語力の高さや知識量に刺激を受けた。午後は液晶の技術を中心に用いて超高解像度テレビや液晶タッチパネル等の最新機器を生産・開発している中国企業のBOE社を訪問した。完全自働化がなされ、最新の技術を導入している最先端の工場であった。夜は本場の中華街で北京ダックを食し、天安門広場を観光して北京を満喫した。
 10日、午前はパナソニック社の北京工場を訪問した。工場見学では自動扉の耐久実験を入念にしていたので、商品に対しての信頼がより高まった。企業説明の中でお話しされていた、「中国の技術発展に貢献してほしい」との中国からの依頼をきっかけに中国進出が始まったということから、パナソニックが日本の高い技術力を象徴する会社であるということを再確認することができた。昼食は工場内での食堂の食事を御馳走になった。午後は移動に費やし、北京から上海へ飛んだ。
 11日、午前は花王社の上海工場を訪問した。日本人の工場長の方から「働き方や働かせ方」「モチベーション」「経営理念」「使命とビジョン」「PDCA」等のお話を伺ったが、大学の講義さながらの大変分かりやすいお話であった。昼食は実際に工場で提供されている食事を御馳走になった。午後はトルクコンバータやクラッチ等の自動車の部品を主に生産しているEXEDY社の上海工場を訪問した。中国人の従業員の方の日本語能力が大変優れていらしたことに加えて、丁寧な企業概要の説明や質疑応答を通じて多くの情報を得られた。夜は上海の中心街である外灘の夜景と高級中華料理を満喫した。
 12日、午前は中国企業の苏州市佳禾食品工业有限会社を訪問した。質疑応答では各班それぞれ個別で長時間対応していただき、普段の質疑応答では中々経験することのできない、密度の濃い対話を通じて、企業の実情について深く知ることができた。企業の方が用意して下さった昼食を頂いた。午後は運河と旧建築の家屋や邸宅が残る蘇州の同里を観光し中国の昔の街並みや歴史・文化を存分に感じた。夜は禾食品工业有限会社の方々に御馳走して頂き会食を行った。対話型の質疑応答や製品の試飲、お土産、ホテルや会食、送迎などあらゆる面で支援していただき、企業からご厚意を肌で感じた。

 今回のフィールドスタディで訪問した企業は我々のことを大変歓迎して下さり、親切にもてなして下さった。訪問した企業の方々に、この場をお借りして改めて謝意を述べたい。ありがとうございました。

 郝燕書 専任教授