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フィールドスタディC(アメリカ:大石先生)実施報告

2018年10月31日
明治大学

国際連携校であるサンフランシスコ州立大学での学生交流の様子国際連携校であるサンフランシスコ州立大学での学生交流の様子

国際連携校であるサンフランシスコ州立大学での学生交流の様子国際連携校であるサンフランシスコ州立大学での学生交流の様子

サンフランシスコの小売業調査(Whole Foods)サンフランシスコの小売業調査(Whole Foods)

サンフランシスコの小売業調査(Trader Joe’s)サンフランシスコの小売業調査(Trader Joe’s)

クパチーノ Apple Park Visitor Centerクパチーノ Apple Park Visitor Center

クパチーノ Apple Park Visitor Centerクパチーノ Apple Park Visitor Center

サンタ・クララ Hewlett Packard Enterprise Companyサンタ・クララ Hewlett Packard Enterprise Company

サンタ・クララ Hewlett Packard Enterprise Companyサンタ・クララ Hewlett Packard Enterprise Company

サニーベイル Microsoftサニーベイル Microsoft

サニーベイル Microsoftサニーベイル Microsoft

マウンテン・ビュー Honda R&D Innovationsマウンテン・ビュー Honda R&D Innovations

マウンテン・ビュー Honda R&D Innovationsマウンテン・ビュー Honda R&D Innovations

マウンテン・ビュー Googleマウンテン・ビュー Google

マウンテン・ビュー Googleマウンテン・ビュー Google

パロ・アルト WiL(World Innovation Lab)パロ・アルト WiL(World Innovation Lab)

パロ・アルト WiL(World Innovation Lab)パロ・アルト WiL(World Innovation Lab)

サンタ・クララ NVIDIAサンタ・クララ NVIDIA

サンタ・クララ NVIDIAサンタ・クララ NVIDIA

サンノゼ Nippon Trends Food Serviceサンノゼ Nippon Trends Food Service

サンノゼ Nippon Trends Food Serviceサンノゼ Nippon Trends Food Service

ロサンゼルス紫紺会ロサンゼルス紫紺会

ロサンゼルス紫紺会ロサンゼルス紫紺会

<テーマ>米国シリコンバレーにおける働き方の研究
期間:2018年9月6日~2018年9月17日

 私は2014年にもフィールドスタディでシリコンバレーを訪問している。そのときには「シリコンバレーはなぜ革新的なのか」が主たる関心であった。今回はシリコンバレーの革新性の理由(=知の集積)をある程度理解した上で、実際にシリコンバレーで働いている人がどのような働き方をしているのかを生の声を聞くことで明らかにしたいと考えた。
訪問の日時・組織・主たる担当者は以下の通りである。

9月6日(木) 15:00~17:00 サンフランシスコ州立大学
青木宏一郎(コーディネーター、留学生サービス・リクルート)
萩原絵理香(東京大学事務職員=1年間の研修中)ほか国際交流クラブや日本クラブの学生10名ほど。
 双方の大学がそれぞれ大学の紹介を行い、その後、大学の敷地を周りながら説明を受けた。サンフランシスコ州立大学の学生は、国際交流クラブの会員であったり日本クラブの会員であったり、それぞれ国際交流に意識の高い学生が出席していた。サンフランシスコ州立大学からは一人が報告し、明治大学からは二人が報告した。その後、意見交換を行った後、大学施設の説明のため敷地を回った。

9月7日(金) 13:00~17:00 サンフランシスコ小売業調査
 Whole FoodsとTrader Joe’sで、学生は4~5人一組になり、店舗の許可を得た上で、従業員や顧客に聞き取り調査をした。Whole Foodsでは主としてamazon.comに買収された前と後の働き方・ビジネスの違いを尋ね、Trader Joe’sではオーガニック製品とローカル製品のニーズについて尋ねた。その後、ユニオン・スクエア地区に移動し、大衆的百貨店のMacy’sと高級百貨店のSaks Fifth Avenueの見学をした。

9月8日(土) 10:00~12:00 クパチーノApple Park Visitor Center、Apple Shop
 サンフランシスコから専用バスでクパチーノまで移動し、Apple本社新社屋のすぐ隣にあるApple Park Visitor Centerを訪問した。そこで係員からパーク(新社屋やセンター、スティーブ・ジョブズ劇場などを含む一体をParkと呼んでいる)の説明を受けた。本社新社屋をiPadのVRで見せるなどAppleらしさ満開のセンターである。さらにそこから移動し、旧本社社屋の隣にあったApple Shopも訪問した。かつてそこでは色々な物が販売されていたが、現在ではほとんどApple製品に限定されていた。

9月8日(土) 15:00~17:00 サンタ・クララHPE
山口いづみ(マーケティング担当)
 HPE(Hewlett Packard Enterprise Company)は旧HPが分割してできた、企業向けソリューションを提供する会社である。とりわけ現在は「Aruba」というWi-Fiシステムを企業向けに提供している。Arubaは外部企業に販売されているだけでなく、社内でも活用されており、たとえばApple製品ならばMacだろうとiPadだろうとiPhoneだろうと、簡単にWi-Fiでプロジェクターに投影できる。また、従業員の居場所や会議室の空き状況も簡単に分かり、会議の設定なども短時間で行うことができる。山口さんには日本HPからHPへ出向されている時にお目にかかったが(2014年)、会社分割時に改めてHPEに入社されている。

9月9日(日) 自由行動
9月10日(月) 自由行動(9月8日の土曜日を調査日に当てたので振替)

9月11日(火) サンフランシスコからサンノゼのホテルへ移動
12:30~14:00 サニーベイルMicrosoft
内田修(シニア・ビジネス・プログラム・マネジャー)
 Microsoftの本社はカリフォルニア州北部、シアトル郊外のレドモンドにあるが、お願いしてシリコンバレー拠点での説明を伺った。内田修さんはJapan Digital Transformation Leadも務めておられ、日本企業がシリコンバレーに集結しているので頻繁にこちらに来ておられるとのことだった。内田さんがレドモンド本社にいる時は、4人のスタッフがいてPower Pointやエクセルの作成などはやってくれていたので戦略的なことだけを考えていればよかった、と言われていた。「戦略作成と進行のチェックがマネジャーの仕事であり、米国ではそれに専念できるので生産性も高く、出世も早いのではないか」という発言には彼我の差を感じた。

15:00~17:00 マウンテン・ビューHONDA R&D Innovations
甲斐孝昌(COO)
 甲斐さんは浅草生まれの浅草育ち、慶應大学(工学部)を出た後、米国の大学も卒業し、2つの会社を経てからホンダに入社されている。技術系であるが自動車畑は歩いておらず、他の分野の専門家である。HONDA R&D Innovationsは2000年から存在するHONDA Research Instituteの一部門が昨年4月に独立してできた会社で、日本の本田技術研究所にシリコンバレーの最先端の技術やスタートアップを紹介するのが任務である。甲斐さんは、業務の説明をされた後、「若い学生は英語をしっかり勉強しておくように」と指摘された。

9月12日(水) 10:30~12:00 マウンテン・ビューGoogle
大石たけし(Technical Program Manager)
 大石さんは高校を卒業した後、フロリダの大学でマーケティングを勉強したが、学生時代にマイクロソフトの資格をすべて取り、マーケティングもソフトウェア・エンジニアリングも理解している人材として、シスコ・システムズを経てGoogleに入社されている。仕事の半分はエンジニアで、半分はプログラム・マネジャーである。大石さんがGoogleカルチャーで一番気に入っているのは、①Focus on the user and all else will followと②Share everything you can、そして③Think 10Ⅹの3つである。①は徹底した顧客志向、②は社内での徹底した情報共有、そして③は「イノベーションとは無から何かを創り出すことでもなく、既存のものを20~30%改善することでもなく、既存のものを10倍にすることである」という考え方である。なおGoogleは確かに給料は高いが、それよりも従業員は皆「世の中を良くしたい」という意識で入社しているそうである。

9月12日(水) 15:00~17:00 パロ・アルトWiL
代田常浩(パートナー)
 代田さんは日本の大学を出た後、スタンフォード大学のビジネススクールを修了して2年前にWiLのパートナーになっている。WiLはWorld Innovation Labの略称で、日系大手企業のCVC(Corporate Venture Capital)から拠出してもらった資金で新規事業の立ち上げをしたり、スタートアップに投資したり、スタートアップを育成したりしている会社である。かつ、出資企業はパロ・アルトにあるWiLに従業員・経営者を派遣し、特別なプログラムで研修を受けさせたり、シリコンバレーのスタートアップとのコラボレーションを実践させたりすることもできる。

9月13日(木) 10:00~12:00 サンタ・クララNVIDIA
 金田憲二(ソフトウェア・エンジニア)
 最近の米国では名刺交換することが少なく、金田さんとも名刺交換をしていないが、LinkedInによれば東京大学でコンピュータ・サイエンスの博士号を取得された後、GoogleやSquareに務めた後、1年前にNVIDIAに入社されている。NVIDIAは言うまでもなくGPU(Graphical Processer Unit)の大手企業である。GPUはかつてのゲームや映画に必須のものから、現在はAIに必須なものになっており、「ムーアの法則(CPUの速度は1年半で倍になる)」が限界にきた現在、GPUの重要性が高まっている。AIは自動運転や医療診断、スマートシティ、ブロックチェーンなどさまざまな分野で利用されており、今後もますます発展するであろう。NVIDIAの企業価値はこれからさらに拡大していくことだろう。

9月13日(木) 14:00~16:00 サンノゼNippon Trends Food Service
山下英幸(代表取締役社長)
 Nippon Trends Food Service(NTFS)は「山ちゃんラーメン」ブランドで生麺を製造している企業である。これまでのICT企業とは毛色が大きく異なるが、ロサンゼルス紫紺会会長の内田友来さんが「是非、会っておきなさい」と勧められたので訪問した。NTFSは長崎チャンポンのリンガーハットが米国に進出したものの撤退することになり、店舗運営を担当していた山下さんが工場を譲り受けて2000年に設立されたものである。現在はリンガーハットとの関係はない。米国・カナダを中心に主として業務用生麺を製造・販売している。興味深かったのは、山下さんが京セラの創業者・稲盛和夫氏が作られた盛和塾の塾生であり、稲盛氏の薫陶を受けて経営されていることである。「アメーバ経営」の詳細を聞くことはなかったが、従業員を大切にし、利益管理を徹底していることは説明を受けた。

9月14日 サンノゼからサンフランシスコ国際空港に戻り、そこからロサンゼルスへ
19:00~21:30 ロサンゼルス紫紺会と懇談会
内田友来(ロサンゼルス紫紺会会長以下、尾形さん、大本さん、堀さん、宮崎さん、松下さん)
 紫紺会メンバーの個々人の紹介の後、いくつかのグループに分かれた学生の中に先輩方が入り、親しく懇談した。最後に明治大学の校歌を皆で歌い、記念写真を撮って終宴とした。なお、懇談した「FUGA」という店も明治大学のOBの方が経営されているということであったが、その方は出張で当日は挨拶できなかった。OBOGのご配慮で、学生は20ドルのみという破格の会費にしていただいた。

 以上が今回のフィールドスタディCの概要であるが、以下、得られた成果と反省すべき点を整理しておきたい。
【得られた成果】
①フィールドスタディ全体を通して、学生が自主的にプランを立て、旅行会社と交渉し、訪問先とのコンタクトをとった。全体のリーダー1名、サブリーダー3名を定め、彼らが全行程の管理・運営を行った。加えて、訪問先それぞれについて担当(複数)を定め、全員がフィールドスタディを創り上げる作業に関わるようにした。このプロセスが、学生の自立と自律を高める一番の教育効果を持ったと断言できる。

②訪問先の事前研究を行い、その成果を全員で共有し、担当は1週間前には訪問先に質問状を送付し、現地でそれに答えてもらう方法をとった。もちろん、現地では冒頭に企業説明をしてもらったが、質疑応答の中で質問状の内容にも回答していただくか、別途、一つひとつ回答していただいた。これによって、学生は訪問先についてよりよく理解できたと思われる。

③ほとんどの学生は米国に初めて足を踏み入れた。現地で米国企業あるいは日系企業の現地法人、現地で設立された日本人経営企業を観察したことで、多様な生き方・働き方があることを学んだ。日本企業と米国企業の違いについても大きな感動を持って実感した。そして、米国で暮らす日本人が、若い学生にいかに期待しているか、自分たちの知見を伝えたいと思っているかを痛感した。これが、フィールドスタディの究極の目的である「グローバル人材の育成」に繋がったと思われる。

【反省すべき点】
❶4年前のシリコンバレー調査は、ほとんど英語でのインタビュー・質疑応答であったが、今回はサンフランシスコ州立大学や小売業調査を除き、ほかは日本人が対応していただいたので英語を公式に使う機会が少なかった。せっかく米国へ行ったのに、それが少し残念であった。

❷13日間の旅程のうち、日本と米国の移動時間、サンフランシスコとサンノゼを中心としたシリコンバレーへの移動時間、シリコンバレー内の移動時間、サンフランシスコからロサンゼルスまでの移動時間と、移動にかなりの時間を消費した。広大なカリフォルニア州での調査であるからやむを得ないことではあるが、もう少し効率的に訪問できていたらと思う。しかも、専用バスでの移動も多く、学生の負担がかなり大きくなったことは心痛である。

大石 芳裕 専任教授

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