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明治大学卒業生への学長メッセージ インターネットで動画を配信しました

明治大学卒業生への学長メッセージ

3月26日10時より、「明治大学卒業生への学長メッセージ」をインターネット上で動画配信しました。

すでにホームページでお知らせしましたように、本学では、未だ余震が頻発している上に、原発事故、計画停電による交通機関の乱れをはじめとした社会的状況に鑑み、参加者の方々の安全面を第一に考え、予定されていた2010年度明治大学卒業式・学位授与式の挙行を中止しました。

現在、学長・納谷廣美から卒業生の皆さんへ向けたメッセージの動画配信は終了しましたが、以下からテキストにてご確認いただけます。学長告辞「新しい時代を拓く」と併せ、卒業生やご父母・関係者の皆様には、式典に代えてぜひご覧ください。

2011年3月26日
明 治 大 学



卒業式告辞に代えての学長メッセージ

こんにちは。学長の納谷です。

本来ならば、本日3月26日、日本武道館で卒業式の式典を挙行し、卒業生の皆さんの『新しい門出』を祝う予定でおりました。しかしながら、3月11日に発生したマグニチュード9.0という東日本巨大地震と津波で、甚大な被害が発生しました。加えて、その後の余震、福島第一原発の事故、さらには計画停電の実施などによる影響も多大であり、今後とも、どのような事態が起きるのかについても不透明です。
 このような状況に鑑み、皆さんの安全確保を第一に考え、苦渋の決断、すなわち卒業式の中止決定をいたしました。明治大学を代表して、卒業生の皆さん、およびご父母・ご親戚の皆様に対し、この中止措置につき、ご理解を賜りたくお願い申し上げますとともに、心よりお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。

現在、このたびの東日本大震災による死者および行方不明者は、2万名をはるかに超えております。なお、これまでの安否確認作業の中で、誠に残念ですが、本学の学生で、今年度ご卒業される方、1名が亡くなられたとの報告を受けております。誠に痛恨の極みでございます。ご家族の無念さを思うと、言葉を失います。お亡くなりになられた皆様に対し、まずもって、衷心よりご冥福をお祈り申し上げます。
 また、被災され、避難を続けておられる皆様に対しましても、心よりお見舞い申し上げます。皆様が1日でも早く、普段どおりの生活を取り戻せることを切望いたします。そのために、本学としても、できる限りの支援をさせていただきます。

ところで本学は、今年1月17日、創立130周年を迎えました。この130年間の歳月は、創立時から太平洋戦争(第二次世界大戦)の終結時までの65年間、1945年の戦後から今日までの65年間に、時代区分できます。前半の65年は、先進諸国によるアジア進出(植民地化の動き)に対抗するため、わが国が「近代化」の旗印のもと、「富国強兵」政策を推進した時期でした。また後半の65年は、自由主義経済陣営の中で経済復興をはかり、経済大国への道を歩んだ時期です。「強兵」政策は、先の大戦後に国際社会の「恒久平和」に置き換えられました。また「富国」政策についても、自国のみの繁栄でよいのかと問われる時代に入っています。

 皆さんは、本学にとっては勿論、わが国にとっても「明治維新」、および「戦後改革」に匹敵する歴史的な転換期、節目の年にご卒業されることになります。私は先に、「新しい時代を拓く」というタイトルのもと、卒業式のため、告辞を用意させていただきました。詳細は、別に配布される告辞文をお読みいただきたいと思いますが、そこで、皆さんに「温故知新」という言葉を贈っております。これは一般的に、「故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る」と読み下されております。ここで一番伝えたいことは、わが国は勿論、世界も今、明らかに諸分野においてパラダイムの質的転換が始まっていることを自覚し、皆さんには、「過去の出来事から、その芯となるところを学び、それを教訓に『明治魂』で新しい時代を拓く戦士になってほしい」ということです。
 卒業生の皆さん。この明治大学で学んだことをベースに、国際的視野に立って、かつ遠くを見つめて、「人のため、世のため」にご活躍してください。もし、これからの人生において、物事に「限界」を感じるときがあれば、それを越えれば良い。「現実」を変える情熱があれば、すべての問題は解決されます。
 つらいときも、笑顔を忘れずに。期待しております。

最後になりましたが、皆さんの前途に幸多いことを、お祈り申し上げます。ご卒業、本当に、おめでとうございます。

2011年3月26日
             明 治 大 学
 学 長  納 谷 廣 美



2010年度 卒業式 学長告辞

新しい時代を拓く

学長 納 谷 廣 美

明治大学で学び、本日ここに、めでたく卒業式を迎えた皆さん、ご卒業おめでとうございます。明治大学を代表して、心よりお祝いを申し上げます。

私は、4年前の入学式において「時代の新しい動向を肌で感じとりながら、自らの夢(大志)の実現に向けて『前へ』歩みだす勇気を、この明治大学で形成していただくことを願っています」と語りかけています。皆さんは、一般入試志願者数が15年ぶりに10万人を超えた年度の入学者ですが、本学での学生生活はいかがでしたか。きっと充実した時間を過ごされたものと拝察しています。

この間、わが国の政権政党は、自民党から民主党へ変わりました。また経済の分野においても、2008年9月にリーマン・ショックに見舞われ、その後世界的な金融危機に陥る中で、昨年GDPで日本は中国に抜かれ、とうとう経済大国第2位の座から第3位に降下しました。このような厳しい経済状況の中で、皆さんの多くは、辛く、かつ長い就職活動を余儀なくされた生活を体験されたことと思います。

他方、昨年はうれしいニュースもありました。たとえば小惑星探査機「はやぶさ」が7年に及ぶ60億キロの旅を満身創痍(まんしんそうい)で奇跡的帰還、また国際宇宙ステーションへ物質を運ぶ無人宇宙船「こうのとり」の打ち上げ成功など、科学技術の進歩には目を見張るものがありました。

本学にとっても、躍進した4年間であったと思います。たとえば2008年度には国際的教育研究拠点形成事業(グローバルCOE)で、2009年度には国際化拠点整備事業(グローバル30)で本学のプログラムが採択されました。また一般入試の志願者数は、昨年度に引き続いて今年度も11万人台で、「日本一」になりました。

ところで2011年1月17日、本学は創立130周年を迎えました。皆さんは、この記念すべき年の卒業生になります。そこで、このたびご卒業される皆さんに贈る言葉は、「温故知新(おんこちしん)」にいたしました。この言葉は、一般的に「故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る」と読み下されております。その趣旨は、諸橋轍次著「中国古典名言事典」によると「何事にもあれ、過去をたどり、それを十分に消化して、それから、未来に対する新しい思考、方法を見つけるべきだ」と説明されています。

今(現在)は、過去と未来を結んでいます。過去の集積があって、現状が生まれ、それをベースに新たな展開が始まります。過去を変えることはできませんが、自らの思い(志)にむけた不断の行動、それによって自らの将来を創成させることはできます。「今を大切に」との心構えで、是非、自らの人生路を歩んでください。

世界は21世紀に入って、明らかに諸分野においてパラダイムの質的転換が始まっています。わが国においても、同様です。現代は、近代化を目指した「明治維新」、アメリカをモデルにした「戦後改革」に匹敵する変革がおきても不思議ではない時期、状況に入っています。皆さんには、過去の出来事から、その芯となるところを学び、それを教訓に「明治魂」で新しい時代を拓く戦士になってほしいと願っています。

最後になりましたが、皆さんの前途に幸多いことをお祈り申し上げます。

以 上


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