「明治大学広報」
 
第554号(2005年4月15日発行)
◆父母会特集 入学式を挙行
 学長告辞 憧け、時代の暁の鐘
木々の芽も吹きはじめ桜の花薫る4月7日、2005年度の明治大学入学式が、穏やかな春の陽射しに包まれた東京・千代田区の日本武道館で挙行され、新入生、父母、大学関係者らが多数参列した。学部6693名、大学院877名の新入生は、新しい学生生活への期待と緊張を胸に、“明大人”の第一歩を踏み出した。
 午前10時、開式を告げるファンファーレが鳴り響いた後、満員となった日本武道館に明治大学交響楽団の奏でる明治大学校歌が流れる中、大学役職者、法人役員、来賓が入場。鈴木純子氏(93年文卒・文化放送アナウンサー)の総合司会で開式された。
 納谷廣美学長は、“明大人”となった新入生が、2万5千在学生、46万校友と“縁”を持ったことに触れ、「この縁がいかに大切かはこれからの学生生活で学ぶことだろう」と語りはじめ、「明大で、新しい社会のニーズや変化に適応しうる能力の形成を目指して学んでほしい。自分で問題を発見し、自分で考え、自分で解決策を見いだすことができる人間に育ってほしい。『時代の暁の鐘』を撞くことを希望する」とし、「一人ひとりの『個』を確立しつつ、他者の存在を認め、人類の歴史を学び自省の念を怠らないでほしい。古典や芸術などにみられる人間性そのものを直視し、そこから進むべき道を、新しい風を感じながら見いだしてほしい」と新入生への期待を述べ、告辞とした。
 続いて、長吉泉理事長は「大学とは、その興味に従って自由に学びたいことを追究できる。またその学習・研究の成果をフィードバックし、その学問領域の発展に寄与していく存在となっていく点が最高学府たるゆえんである」と大学での心構えを説き、「学生生活を通して、価値観の共有できる、時に真っ向から意見をぶつけ合える一生の友を得てほしい。悠然たる時間があると錯覚しがちだが、かけがえのない時間を一瞬たりとも無駄にせず、濃く深く過ごすことを期待する」と祝辞を述べた。
 それに応え、新入生を代表して、経営学部経営学科の森田陽平さんが宣誓。「何が絶対的に善で、何が悪かと決めることは非常に難しい。場面場面において自分自身で考え、正しいと判断したことを恐れずに実行してみることが理解への第一歩となる。『権利自由』『独立自治』を建学の理念に掲げる明治大学は、絶好の学びの場である」と語り、「これからの4年間、専門分野の修得はもとより、あらゆることを吸収したい。明治大学の学生であることを誇りに思い、実りある大学生活を送る」と力強く誓った。
 続いて、テレビ朝日キャスターの渡辺宜嗣氏(77年商卒)が入学記念講演「メディアは新しい風を待っている」を行なった(写真)。高校時代、ラジオの深夜放送を聞きアナウンサーを志すようになったことや東京六大学への憧れ、大学入学後の放送研究会など学生生活を振り返りながら歯切れよく語り、「どんなに伝える技術が進歩しても“人の心”は変わらない。アナウンサー生活は、『人の思いをどう感じるか』に尽きる。伝える自分が、人の心の痛みがわかる優しい人間でありたいと思うし、みなさんにもなってもらいたい」と説き、「明治大学で個々の価値観を養い、変化に対応できる柔軟さを身につけてほしい。困っている人に目を向けることができる人間になってほしい。みなさんの力で日本の社会を元気に」と述べ、「“素敵”な人になってください」と結んだ。
 最後に應援團によるリードで、新入生ははじめてとなる明治大学校歌を参列者全員で斉唱。明大人としての第一歩を踏み出した。
 
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