「明治大学広報」
 
第554号(2005年4月15日発行)
◆学生相談室だより
  『学生相談室とは』―充実した学生生活を送るために―
悩みのない人生なんてあるのでしょうか。とくに青年期の悩みは格別な意味をもつものです。成人への過渡期であるこの時期は、親に代わって親友や恋人を求めつつ、人生観の確立や将来の人生設計(職業や資格等)を求め、社会の中でどう生きるかを決定していくという難事業を抱えています。
 世界的に社会情勢が混迷の度合いを深めているこの時期に、将来進むべき的確な進路を見出すことは決して易しいことではありません。最近、教育関係者の間で話題になる「引きこもり」「ニート」などの問題も、このことと無関係ではないはずです。
 学生相談室は、学生生活への適応や人格の成長が順調にいくように支援する機関です。各学部教授会から選出された教員相談員・精神科医・臨床心理士・弁護士・インテーカーから構成されており、1対1での相談に応じています。ここでは言うまでもなく個人の秘密が固く守られます。また、電話による相談やご父母・ご家族からの相談も受け付けています。
 ◆学業とアルバイト◆
 アルバイトは学業を続けるために必要最小限度行うべきものと思います。
 振り返ると、人生の中で学問に専念でき、進路について準備できるモラトリアム時代はきわめて短いのです。そうしたせっかくの機会を遊びやアルバイトに費やすとすれば大変なマイナスともなりましょう。大学にはさまざまな奨学金制度もあり、当座のことであれば学生課に一時貸付金もあるのです。経済的に困ったときはこれらの制度や機関を上手に利用し、学生生活を充実させてほしいと願っています。
◆課外活動と         飲酒について◆
 学業とともに課外活動を通して、幅広い人間形成を行うことも学生生活にとっては重要なことです。本学には、約4百近い団体があります。選択にあたっては、課外活動が自分自身の人生にとって実りのあるものになるよう、また生涯を通してより良き人間関係を築きうるものであるよう心掛けてください。
 飲酒には疲労回復、緊張や不安の解消、人とのコミュニケーションを円滑にするなどの利点がありますが、飲酒経験の少ない学生が自分の適量を知らずに無謀な飲み方をしての事故が多発しているのが現状です。多量飲酒が引き起こす「急性アルコール中毒」が多いのですが、時には一命を失うことにもなりかねません。体質的にアルコールを受け付けない人がいるように個人差の大きい飲酒は決して強要してはなりません。
◆新しい環境への適応◆
 新学期のキャンパスは、サークル勧誘や応援団のデモンストレーションなどで賑わい笑い声に包まれている一方、大学入学を喜んでいる新入生ばかりではありません。
 受験科目で択んだ学部がやりたいこととは違う、不合格だった大学への執着が断てない、より「偏差値」の高い大学を目指したいなど、受験そのものが目的となってしまって、入学後の大学生活に目的や意義を見出すことのできない学生が毎年少なからず存在します。
 「何か力が出ない」「訳もなく憂鬱だ」と感じたら、ひとりで悩まずに学生相談室を訪ねてください。風邪も引きはじめが肝心なように早めのケアが大事です。他人の手助けを求めることは恥ずべきことではありません。いつでも、学生相談室の扉は開かれています。
◆さまざまな人権侵害と   個人情報の管理◆
 明治大学は「権利自由」「独立自治」の建学の精神のもと、全学構成員の生活上の安全を脅かすいかなる人権侵害をも容認しません。もちろん、大学におけるセクシュアル・ハラスメントに対しても同様です。
 一方で、個人情報の管理が充分でないと、さまざまなトラブルが発生します。例えばアンケートに答えたために、高額な自己啓発セミナーや宗教まがいの団体に加入させられたり、高額な英会話スクールや化粧品の契約を断ることができないなどの問題が次々起こっています。
 住所・電話番号・生年月日・メールなどを他人に伝えるときは、どうぞ慎重であってください。思わぬところで学生諸君の安全が脅かされる危険があるからです。もし心配が生じたら、速やかに学生課の窓口や学生相談室に申し出てください。
 ◆孤立しないで!◆
 憧れてスタートさせた都会でのひとり暮らしも、「ゴミ出し」「毎日の食事作り」「新聞勧誘」「対人関係」など、意外にも負担になってはいませんか。こんなとき、大学内に3人の友人・知人がいるだけで、負担は軽くなると思います。
 学生部では、新入生に早く明大生としてのアイデンティティや大学生活4年間のヒントを掴んでもらいたいとの意図から、『新入生キャンプ』を開催します。仲間作りの輪の中に入ってきてください(詳細は、新入生生活案内のチラシ、学生部関係の掲示板などをご覧ください)。 
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