昨年の春季リーグ戦。初戦からスタメン出場するも齋藤(達)主将(農4)は怪我で戦線離脱を余儀なくされた。「チームが勝つのは嬉しいけれど自分は必要な戦力なのかなって…」。野球から気持ちが離れていくのを感じた。その一方で、チームは12季ぶりに優勝を果たす。仲間と喜び合う輪の中で、心は複雑だった。
奮起したい一心で、万全の状態で挑んだ秋。しかし、リーグ戦途中、またもや怪我でチームを離れた。満足に体が動かせず、仲間の練習を眺める中で齋藤(達)主将が見たもの。それは、レギュラーを目指して必死に練習する2軍選手や、選手の道を断念しチームのために尽くしてくれる学生コーチの姿だった。その時自分が野球に打ち込める環境に対する感謝の気持ちを思い出す。「支えてくれる他の選手や応援してくれる全ての人のために絶対に優勝したい」。
4月16日、明治初戦。今年のチームスローガン『FOR THE ALL』に込められた意味を誰よりも噛み締めて。齋藤(達)主将は神宮のグラウンドに立つ。
(さいとう・たつのり 農4、日大三高出、173p・75s) |