「明治大学広報」
 
第556号(2005年6月1日発行)
 個を強くする大学から個を見つめる大学へ
学生相談委員長  岩波 力
 和泉学生相談室は、第一校舎2階の大変日当たりの良い場所にあります。ここで、学生の悩みと格闘して3年が経ち4年目を迎えました。

 今年度の相談員の中で私だけが2期目の任期中であり、経験が長いという理由から相談員長に選出されました。また、職務上の委員として、人権問題委員とセクハラ対策委員も委嘱され、職務の重さに当惑しております。相談員3年の経験では大して役立ちそうにありませんが、引き受けた以上は何とか職務を全うすべく力を尽くしたいと思っております。

 学生相談は、大学生活への適応を援助することを大きな目標に掲げております。特に本学学生相談室は、「よろず相談」の看板を掲げ、あらゆる相談を受け付けております。相談の内容は年々複雑化し、簡単には解決できません。10年前3割程度であった精神衛生に関する相談が、昨年はついに5割を越えました。専門スタッフでは手一杯で、緊急の予約でさえ数週間待ちの状況です。精神医、心理臨床士の増員が望まれます。

 少子化による受験生の減員に対応して、大学が大きく変わろうとしています。明治大学でも、新学部の設置、キャンパス整備、カリキュラムの改革などが盛んに行われています。しかし、「個を強くする」をスローガンに掲げた明治大学がさらに「素晴しい大学」へと変わるためには、個としての学生に視点を置いた、きめ細かいサービス政策が必要と考えます。

 相談室業務は本来の大学機能から離れたものでしょうが、このような「個を見つめた」学生サービスこそが、これからの大学に求められるでしょう。悩みは人として成長する過程で生ずるものといわれます。悩みながらも無事4年間で卒業できるように、学生の悩みと格闘しようと思っています。(政治経済学部教授)
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