「明治大学広報」
 
第562号(2005年10月1日発行)
◆駿風
 「入るを量りて出ずるを為す」は『礼記』にある言葉である。家庭でも国家でも、無計画で支出したのでは財政が成り立たない。収入を量ってその上で支出を考えなければならないということである▼わが国の財政危機が叫ばれて久しい。2005年度末の国債残高はすでに国の年間税収(44兆円)の約12倍に相当する見込である。歳出に充てる歳入不足に赤字国債を発行し続けたためである。税収の半分近くが借金返済のために消えている。まだ低金利に救われており、これで金利が上がれば借金をしても借金を返せない「サラ金地獄」に陥る恐れがある。まさに借金まみれなのがわが国の財政である▼本学は無借金経営を続けている。有利子負債は殆どないのに等しい。年間支払利息は1千万にも満たない金額である。しかしここ数年支出が収入を超えている。資金の需要には限りがないが、収入には限りがある。支出を抑えなければ収支の均衡を維持することは難しい。「入るを量って出ずるを制する」は、すべての経営にあたる者にとって金言に値する言葉である。
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