「明治大学広報」
 
第566号(2005年12月1日発行)
◆大韓民国・国立忠北大学校総長 申芳雄氏に名誉博士号
  10月28日、明大21人目
 明大の名誉博士の学位は「学問・芸術その他人類のため、顕著な貢献をした者」に贈られるもので、申氏は、2004年3月の小柴昌俊氏(東京大学名誉教授)に続き21人目となる。

 申芳雄氏は、1942年生まれの63歳。韓国・漢陽大学校で工学修士の学位を取得後、71年から国立忠北大学校教授に就任、78年に仁荷大学校で工学博士号を取得した。日本では、96年に京都大学で工学博士号を取得、98年には京都大防災研究所の21世紀COEプログラムにも参加するなど、国際的に活躍する地盤工学の専門家であり、350点を超える著書・論文を発表している。

 韓国国内においても、韓国地質・環境工学会会長(2000年)、韓国国立大学校総長協議会会長(2005年)など数々の要職のほか、2003年から国家の重要な行政政策を検討する大統領諮問政策企画委員会などの委員に就任するなど国家行政面においても顕著な活躍をしている。

 明大と忠北大学校間の交流は、1999年から5年にわたる博物館および考古学スタッフの協働を経て開催された、2004年のアカデミーコモンオープン記念特別展「韓国スヤンゲ遺跡と日本の旧石器時代」を機に大きく発展した。同展は大きな成果を収めたが、この交流の礎を築き統率・推進した面でも同氏が大きく寄与した。

 式典は、リバティタワー岸本辰雄ホールで行われた。忠北大学校からは申氏のほか、李隆助・博物館長および朴秀吉・国際教育センター長が、明大からは長吉泉理事長、納谷廣美学長をはじめ村山富市顧問、大学役員・役職者、国際交流および博物館関係教職員らが列席した。

 はじめに納谷学長が顕彰の言葉として、申氏へ明大の名を冠した名誉博士の学位を贈呈できる喜びを表明し、これまでの功績や両校間の交流の経緯について紹介。「明大にとって栄誉であるばかりでなく、日韓両国の友好親善のために大韓民国全体に贈る意義をも持ち得る。これを機に両校の交流が一層強化され、さらには両国がますます親密になることを願う」と述べた。

 続いて、納谷学長から名誉博士学位記と学位章(メダル)が、長吉理事長から記念品が申氏に贈られた後、申氏が挨拶。同日に両校間の大学間交流協定が締結され二重の喜びであるとし、「名誉博士号は望んで得られるものではなく、学術発展や人類文化への貢献に対し与えられるというもの。その意味でも大変光栄である。これを機に、学術・学生交流がますます盛んになり、さらには日韓両国の発展につながるよう寄与していきたい」と語り、「今日からは明大の同窓。明大の名に恥じないよう努める」と述べ、最後に「今日はありがとうございました」と日本語で結び、式典は幕を閉じた。

 なお、本年9月には忠北大学校から納谷学長に名誉博士号が贈られている(本紙第564号既報)。
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