「明治大学広報」
 
第566号(2005年12月1日発行)
◆南アフリカの市民とNGO活動
   アフリカ文庫講演会
 さる11月11日、中央図書館多目的ホールにて、アフリカ文庫講演会が開催された。
 アフリカ文庫主催のイベントとして今年度2回目、通算6回目になる今回は、日本国際ボランティアセンター南アフリカ事務所代表の津山直子氏を迎えて、「南アフリカの市民とNGO活動」をテーマに開催された。
 日本国際ボランティアセンター(JVC)は、アジア・中東・アフリカの10の国・地域で支援活動を行う、国際協力NGOである。南アフリカ共和国においては、黒人の人々がアパルトヘイト時代に失った自信と希望を取り戻すことを目指し、環境保全型農業の普及・都市貧困地域での教育支援・HIV/AIDSの予防啓発とHIV感染者への支援活動を行なっている。南アフリカに居を構え、活動している津山氏が帰国したわずかな期間に講演を依頼し、実現の運びとなった。
 津山氏は、南アフリカの工芸品、トウモロコシ、お茶といった農産物などを持ち込み、それらと写真・説明をスライドで見せながら、JVCが現地で行う活動について、その基本的方針(現地の市民/村人が活動の中心でJVCは脇役など)・内容・背景・必要とされることをわかりやすく説明。最後にHIV/AIDSに不幸にも感染したひとりの南ア人女性による、前向きな生きる力にみちた詩を紹介して締めくくった。
 会場には、アフリカに関心を持つ学生・研究者のほか、NGO活動に関心を持つ学生も多く集まり、聴衆は70余名を数えた。熱心に講演に聞き入り、講演後は関心の高さをうかがわせる質問が多数寄せられた。また講演会終了後にも津山氏の周囲には聴衆が集まり、質問する姿が見られた。
 明大図書館のアフリカ文庫は1979年、セネガル大統領(当時)のサンゴール氏に明大が名誉博士の学位を贈ったことにより、同氏から献辞本が寄贈されたことを契機に設置されたもの。以来毎年アフリカ各国の文献、年報、新聞などを体系的に収集し、2005年4月時点の蔵書数は1万冊以上にのぼり、アフリカ全土にわたる資料収集量としてはわが国有数のコレクションである。
 原道生・図書館長は講演会終了の挨拶で、アフリカ文庫が資料収集とともに行うこうしたイベント・活動が、アフリカに対する関心を高め、活動への契機となることを願い、また気軽に文庫を利用するよう呼びかけた。
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