血管内の掃除をする超ミクロ折り紙ロボット、折り紙の展開収縮機能を使った巨大なソーラーセイルなど、計測技術の著しい進歩により現在の科学・技術の興味は、ミクロとマクロの両極端に広がっている。これらに用いられる巨大な構造や極小構造は、適切な強度・剛性が容易に得られず、製造も困難という共通の課題がある。本研究の目標は、明大発折り紙工学を発展させて新たな製造法である折り紙工法幾何学モデルを構築し、上述の課題の克服により科学・技術の大いなる進展に貢献することである。
MIMSの折り紙工学グループ(グループリーダー:萩原一郎(MIMS副所長))を中心に、これまでの明大発薄紙の折り紙幾何学モデルをベースに、厚板の折り紙幾何学モデルの創出を目指す。この数理モデルをもとにシミュレーションモデルを構築し、機能の創出を行う。所期の機能を有す構造物を折り紙工法で得るため、手順・コストを最小にするモデルの構築、そのシミュレーションモデル構築法を確立することにより、巨大構造物、超ミクロ構造物の実現に寄与し、科学・技術の進展に貢献する。
目標を実現するモデルの構築とともに、それを国内外へ広く発信するシステムを作り上げる。
厚板の折り紙幾何学モデルの構築。
関連する研究集会を開催することから、目標を実現するモデルを広く国内外に発信し、関連分野の先導を図る。
数理モデルをもとに、シミュレーションモデルの構築。
評価委員会からのフィードバックにより計画をより具現化し、更なる社会貢献の実現性を高める。
折り紙ロボットで作れる製造コストを最小とする型紙モデルの構築。
世界の科学・技術の進展、豊かで安心できる社会の実現に貢献することから、本学の最高レベルのブランディングを構築する。
社会を豊かにする産業イノベーションの実現。
折り紙は、軽くて剛い、展開収縮機能を有することから、宇宙開発、血管内掃除ロボットなどに欠かせない。但し、巨大構造、超ミクロ構造では強度・剛性の付与が困難であり、展開の効率も上げる検討を行うため、最適設計と最適制御の検討を行う。日常の製品も折紙構造で性能向上が認められるが、形状がより複雑となるため製造コストが上がる。そのため、型の不要な折紙式プリンターの活用を図るべく折紙ロボットの革新を図る。以上により、新しいイノベーションの創出を目指す。
グループリーダー |
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萩原一郎(明治大学 研究・知財戦略機構特任教授、MIMS副所長) |
新しい折り紙モデルの開発研究 |
石田祥子(明治大学 理工学部准教授、MIMS研究員) |
新しい折り紙モデルの開発研究 |
奈良知恵(明治大学 研究・知財戦略機構客員研究員、MIMS所員) |
形状記憶合金の変形挙動モデルの折紙構造への応用 |
納富充雄(明治大学 理工学部教授) |
折紙ロボットの遠隔操作モデルの充実 |
黒田洋司(明治大学 理工学部教授) |
折紙構造の最適設計 |
井上全人(明治大学 理工学部准教授) |
折り紙の建築への応用 |
園田眞理子(明治大学 理工学部教授) |
自動車産業、宇宙産業への応用 |
萩原一郎(明治大学 研究・知財戦略機構特任教授、MIMS副所長) |