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明治大学広報
第601号(2008年11月1日発行)
特集 夏の成果報告
短期海外語学研修

言葉は相手の気持ちを開かせる“鍵”
政治経済学部2年 松本 英久
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 硬い石畳の道をゆっくり歩く馬車。歴史を感じる建物の数々。教会の塔に登れば、そこには澄み切った空とどこまでも続く赤れんがの低い街並み。一方でモダンなショッピングモールやおしゃれなカフェ、ブランドショップが町にはいくつも店を構える。中世と現代の魅力が織り交ざった街、私はそんなウィーンでこの夏を過ごした。

 研修先、ウィーン大学での授業は午前中3時間。10人ほどのクラスメートは世界各国から集まり、休み時間も私には会話の練習だった。クラスメートがドイツ語を学ぶ理由は、留学や博士論文の文献のため、だんなさんとドイツに住むためなどさまざまだが、みんなまじめだった。その中で何とかやっていると2週間後、電車のアナウンスが正確に分かった。この経験は今でも勉強の励みになっている。

 特に一番の思い出は、クラスメートや課外授業で出会った外国の友人と、持ち寄りパーティを開いたり、アイリッシュパブに出かけたり、夜の公園で語り合ったりしたことだ。

 彼らは自分の国、夢や将来をいつも語り合う。日本のことも聞かれ、言葉、ひらがなを教えてあげると、「日本語は私のお気に入り!」こんな風に喜んでくれた。そして、彼らのために私も自分の国について勉強し、もっと伝えていきたいと思った。

 研修も終わりに近づいたある夜のパーティ。ポーランドから来た英語が少し苦手な友人につたないドイツ語で話しかけた。私は彼らの中ではいつも英語を話していたので、それを聞いた友人は少し驚き、そのあと顔がすっとほころんだ。この時はっとした。言葉は本来意味を伝えるツールである以上に、相手の気持ちを開かせる鍵みたいなものだ、と。これらの経験はすべて目に見えないお土産となった。

 「Bis wald Hide!」(またね、ヒデ!)今も彼らとのメールのやり取りは続いている。帰国後も私が大学の勉強、ドイツ語や英語に一生懸命になれるのは、いつかの再会を約束した彼ら、そしてこの夏のウィーンのおかげだ。

短期海外語学研修
 英語、仏語、独語、中国語、韓国語の能力の向上、国際感覚の養成を目的に、明治大学の海外協定校で夏季休業期間中の約1カ月間にわたって行われる短期留学形式の研修。見学旅行や交流行事なども実施される。



短期海外語学研修(リンク先:国際交流・留学)

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