ブラジル・サンパウロ市長のジウベルト・カサビ氏が5月14日、明大を表敬訪問し、駿河台校舎リバティホールで講演を行った。 横井勝彦商学部長の紹介で登壇したカサビ市長は、サンパウロ市の概況や、昨今の経済危機への同市の対応について講演。東京とサンパウロが共通して直面している諸問題を分析しながら、教育、医療、環境、雇用といった課題への対処や、交通政策への取組を説明した。 カサビ氏は特に、サンパウロが1100万人以上の人口を抱え、110万人の日系ブラジル人はじめ多民族が暮らす、ブラジル最大の都市でありながら、慢性的な財政赤字を抱えていた点を強調した。収税システムを見直し、脱税の取り締まり強化で確保した財源を、環境政策事業に投入することで雇用を創出し、経済危機に対応しつつある現状を語るにおよび、会場の学生らは興味深く聞き入っていた。 講演後カサビ氏は、アウフレド・コタイチ・ネット国際局長、アレシャンドレ・デ・モライス交通局長はじめ同市要人らとともに、納谷廣美学長を表敬訪問。明大からは納谷学長、勝悦子副学長(国際交流担当)、横井商学部長、中林真理子商学部教授らが出迎えた。納谷学長は「カサビ市長の訪問を機に、日本とブラジルの今後ますますの交流を期待したい」と語った。 このたびのサンパウロ市長一行の明大訪問は、中林教授による商学部特別テーマ実践科目、「ラテンアメリカの開発支援とボランティア」の開講準備をきっかけに実現したもの。サンパウロ市長による今回の講演会は、今後明大が、ラテンアメリカ諸国と連携を深める第一歩になるとして、期待が寄せられている。 商学部 前のページに戻る