文部科学省が募集する2009年度の「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」の選定結果がこのほど発表され、明大からは3件の事業が選定された。 本事業は、各大学の経営戦略や研究戦略に基づき、特色を活かした研究実施のための研究基盤形成を支援するもので、研究事業を遂行する研究拠点に、研究施設・設備整備費や研究費を一体的に補助する。「研究拠点を形成する研究」(原則5年間)、「大学の特色を活かした研究」(原則3年間)、「地域に根差した研究」(同)の3つの申請区分がある。 今年度の全選定件数は61件で、明大の選定数3件は慶大に続き2番目。今回の選定により、明大が選定を受けた事業は昨年度のものを含め、5件となった。 今回選定された新規事業は次のとおり(事業名に続き(1)研究組織名(2)研究代表者(3)研究概要)。 日本列島の文明化を究明する古代学の総合化研究 (1)古代学研究所 (2)吉村武彦文学部教授 (3)従来、史・資料の性質により分断されていた日本列島古代の歴史・考古・文学を「日本古代学」として再構築。3分野を架橋すべく、モノ・文字・文芸等の各資・史料を電子媒体化し、「資源」として縦横に利用、古代学の研究水準向上を目指す。 機能的ナノ構造体の創成と応用 (1)新素材開発研究所 (2) 吉村英恭理工学部教授 (3) 生体物質を用いたナノ構造物を、電子回路素子や生体適合材料等へ応用するインターフェイスの開発。ハイドロキシアパタイト等を用いたサブマイクロ・の構造物と組み合わせた新機能素材の創成、有機物と無機物の融合を図った新構造体創成等を目指す。 低炭素・窒素排出を目指した食料生産技術の開発 (1)炭素・窒素循環制御農業研究所 (2) 登尾浩助農学部教授 (3) 稲を栽培する際に発生する温室効果ガス(炭素ガス、窒素ガス)の2割削減を実現しつつ収量を維持できる、作物生産技術と普及法の開発。同時に耕作放棄水田の有効利用を図り、農業分野からの温室効果ガス排出削減と、農地利用率の向上を目指す。 2009年度文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業 明大の採択事業 研究・知財戦略機構 文部科学省「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」 前のページに戻る