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明治大学広報
第615号(2010年1月1日発行)
ゴルバチョフ氏(元ソビエト連邦大統領)に
明治大学名誉博士学位を贈呈
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 明治大学は2009年12月10日、ミハイル・ゴルバチョフ元ソビエト連邦大統領(78)に明治大学名誉博士学位を贈呈した。明大が冷戦終結20年の節目に同氏を招き、これまでの核軍縮推進活動と、東西冷戦構造終結への貢献を顕彰したもので、2007年9月の何振梁・中国オリンピック委員会名誉会長に続き、24人目の受章となる。

 明治大学名誉博士の学位は「学問・芸術その他人類のため、顕著な貢献をした者」に贈られるもの。

 ミハイル・ゴルバチョフ氏は、モスクワ大学法学部を卒業。ソビエト連邦共産党に入党し、1971年同中央委員に就任。その後、書記長、最高会議議長などを歴任し、1990年、ソビエト連邦初代大統領となった。同年ノーベル平和賞を受賞。

 1991年より、国際社会経済・政治研究基金(ゴルバチョフ財団)理事長として、冷戦終結後の国際社会の平和と安定のため、世界にメッセージを発している。

 贈呈式は駿河台校舎アカデミーホールで行われ、ロシアはじめ大使館関係者、大学役員・役職者、評議員、教職員、学生・生徒、報道関係者ら約1千人が列席した。

 納谷廣美学長は顕彰にあたり、「ゴルバチョフ氏に名誉博士学位を贈呈できることは、本学にとって名誉である」とし、ロシアとの連携強化や、日ロ両国の友好親善の一層の促進を祈念した。

 納谷学長から名誉博士学位記と学位章(メダル)が、長堀守弘理事長から祝辞と記念品が贈られると、ゴルバチョフ氏は「世界的に伝統と権威ある明治大学から名誉博士学位をいただき、大変な名誉」と謝辞を述べ、今後の明大と財団の交流に意欲を表した。

冷戦終結20年 これからの世界
─核軍縮への道─


 贈呈式に続き、特別フォーラム「冷戦終結20年 これからの世界 ─核軍縮への道─」を開催。福山哲郎外務副大臣の基調スピーチ後、ゴルバチョフ氏が基調講演を行った。

 同氏は急速なグローバル化の進展について「人間の顔を持ったグローバリゼーションを」と訴え、一昨年からの世界金融危機にも言及。欧米の資本主義には今やペレストロイカ(再建)が必要と指摘した。また、世界的な核廃絶の動きを支持しつつも、「核兵器なき世界」実現後、アメリカが懸絶した通常兵器保有大国となることに警鐘を鳴らすなど、新たな世界平和の枠組み構築に、変わらぬ熱意を示した。

 同氏はパネルディスカッションにも参加。NHK解説委員の石川一洋氏の司会のもと、元国連事務次長の明石康氏、衆議院議員の柴山昌彦氏、作家の佐藤優氏、明大政治経済学部の伊藤剛教授らと、今後の日ロ関係や、日本の安全保障など活発な意見交換を行った。  

 参加学生らは「唯一の被爆国として、核問題に興味があった。大変参考になった」「ゴルバチョフ氏の平和的な人柄に触れ、ロシアへの印象が変わった」(ともに政経2)などと感想を語った。



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学位記を受け取るゴルバチョフ氏(左)


核軍縮の難しさを語るゴルバチョフ氏


パネルディスカッションでは貴重な意見交換が行われた



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