国際日本学部主催の特別シンポジウム「ヴィジュアル・カルチャーと漫画の文法」が2009年12月23日、駿河台校舎リバティホールにて行われた。 同シンポジウムは、ヨーロッパを代表するマンガ(バンドデシネ)研究家であり、視覚文化論にも造詣の深いティエリ・グルンステン氏をフランスから迎え、同氏の著書『線が顔になるとき』と『マンガのシステム』をテーマに開催されたもの。暮れも押し迫った時期に、二部構成で5時間近いプログラムにもかかわらず、300人を超える聴衆が会場を埋め、最後まで熱心に聴き入っていた。 総合司会は同学部の山宏教授。 第一部は、博覧強記で知られる荒俣宏氏と山教授による「人の顔」をめぐる議論。顔の特徴がその人の性格を表すとする観相学の成立とマンガの関係に始まって、特に日欧の「鼻」に対する扱いの違いなどが縦横に語られた。 続く第二部は、マンガ研究家の竹熊健太郎氏と伊藤剛氏をゲストに、マンガの定義や少女マンガ特有の表現などについて問題提起がなされた。グルンステン氏との直接のやりとりも行われ、最後に山教授が18〜19世紀にヨーロッパで起こった視覚革命と、マンガとの関わりを指摘。広がりのあるシンポジウムとなった。 (第二部司会・藤本由香里国際日本学部准教授) 国際日本学部 前のページに戻る