明治大学は6月11日、明治大学黒川新農場(仮称)整備計画の地鎮祭・起工式を、建設地である川崎市麻生区黒川で執り行った。新農場は明治大学130周年記念事業の一環として位置づけられ、教育・研究施設として実習農場などを整備し2012年4月の開場を予定している。 現地で催された地鎮祭・起工式には、長堀守弘理事長、納谷廣美学長はじめ大学役員・役職者が参列、阿部孝夫川崎市長、自治体や地元の関係者、工事関係者とともに工事の無事を祈願した。 長堀理事長は式典あいさつで、新農場は人類の基本である農業作物についての教育・研究の場であり、市民参加による社会貢献の場となるとした上で「21世紀の新しい農業、人類の大きな課題を研究し、より良い日本の農業開発に貢献したい」と決意を述べ、地元関係者らに末永い支援と協力を訴えた。 続いてあいさつに立った納谷学長は「食糧問題は、世界的な重要テーマ。東京にある総合大学で唯一農学部を有する私大として、都市型農業・畜産のあり方を含め、多様な形を展開できる場になるよう全力をあげて努力したい」と語るとともに、川崎市との社会連携事業が一層促進されることに期待を込めた。 阿部市長は、長年にわたり密接に連携する『地元大学』明治大学の新農場が市の農業公園構想の中核になることに大きな期待を寄せながら、インフラ整備などで全面的に支援をしていきたいと語った。明治大学と川崎市は、相互の知的資産や地域資源を活用した産業・科学技術の振興や市民の生涯学習の推進などを目的とする「明治大学と川崎市との連携・協定に関する基本協定書」を2007年12月に締結している。 新農場は、生田キャンパスからも至便でこれまで千葉県・誉田や山梨県・富士吉田の両農場では難しかった年間を通じた持続的な実習なども可能となる。黒川地区の自然を最大限に活かした設計がされており、先端技術を駆使した生産効率性の高い栽培システムと環境保全型システムを併せ持つ。完成後は川崎市が周辺地域一帯で推進する「黒川地区農業公園づくり事業」の中核的施設としての社会貢献の役割も担う。環境・自然・地域との共生による『未来型アグリ・エコファーム』をコンセプトに、地域と大学の連携による多目的な都市型農場を目指す。 【完成イメージ図】 ◇明治大学黒川新農場(仮称)整備計画概要◇ ▽建設地=神奈川県川崎市麻生区黒川字明坪2060─1ほか ▽本館・実習棟構造規模=鉄筋コンクリート造・木造 地上2階建延床面積2784平方・ほか ▽開発区域面積=12万8111.32平方 ▽用途=農場、校舎、倉庫、温室 ▽棟数=25棟 前のページに戻る