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明治大学広報
第622号(2010年8月1日発行)
公開シンポジウム開催
中東和平とパレスチナ難民の現状
緒方貞子JICA理事長も来校
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 パレスチナ難民を支援する国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)事務局長のフィリッポ・グランディ氏、元国連難民高等弁務官の緒方貞子国際協力機構(JICA)理事長らを招いた公開シンポジウム「中東和平とパレスチナ難民の現状 UNRWAの支援と日本の役割」が7月1日、駿河台キャンパスリバティタワーで開かれた(主催・UNRWA、外務省、明治大学軍縮平和研究所、JICA)。

 基調講演でグランディ氏は、今日のパレスチナ難民がおかれる厳しい状況や、中東地域におけるUNRWAの取り組みなどを紹介。最後に明大創立者たちの建学の志に触れつつ、「助けを求めている人々の声を無視してはいけない。将来に向け扉を開かなくては」と学生に向け訴えた。
 続くパネルディスカッションでは、グランディ氏と緒方氏に、香川剛廣外務省中東アフリカ局参事官、立山良司防衛大学教授を交え、出川展恒NHK解説委員の進行で、意見交換がなされた。

 緒方氏は、「日本は『繁栄の孤島』とも言われるが、それは幻想だと知ってほしい。経済的にも外国との交流は不可欠。自分たちだけが安全ではいられないと認識して」と述べた上で、「自分と同年代の人々が世界で苦境にあることを知れば連帯感が生まれる。皆さんも立ち上がれる人になってほしい」と呼びかけた。

 会場は立ち見が出る盛況で学生の関心の高さを物語っていた。参加学生は「パレスチナ問題はニュースで見ていたが、あまりリアリティを感じていなかった。初めて国連機関の支援の実際を生で聞く貴重な機会になった。関心を持つことが和平につながると感じた」(商4男子)、「パレスチナ関連のニュースを見ても『大変だな』程度の認識だった。緒方氏の『数年前にパレスチナ危機が深刻化した際、国際世論として叫ばれるべき支援の声の弱さが危機に拍車をかけた』との指摘から、われわれ一人ひとりの意識の低さに気づかされた。できることから変えていければ」(商3女子)、「アジアの安全保障を研究している。根底の課題は共通していると思った。『アジア』だけでなく、『世界』で考える必要を感じた」(政経3男子)と、一様に真摯なまなざしを見せていた。

緒方氏、大学の役割に期待

 シンポジウムに先立ち、グランディ氏、緒方氏らと納谷廣美学長が、リバティタワー23階貴賓室で親しく懇談した(写真)。明治大学出身の人権派弁護士・布施辰治の話題、明大の建学の精神「権利自由・独立自治」に基づく人道支援の取り組みや、人権教育について納谷学長から紹介を受けると、グランディ氏も深い共感で応えていた。

 緒方氏は確かな知識と分析が紛争の解決と防止に貢献するとして、大学の役割に期待を寄せた。



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パレスチナ難民の苦境を紹介





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