第624号(2010年10月1日発行)
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法務省は9月9日、法科大学院修了者を対象とした2010年新司法試験(5回目)の合格者2074人を発表した。明治大学からの合格者は前年比11人減の85人だった。
総受験者数8163人に対する合格率は25.41%(前年27.64%)と4回連続の低下で過去最低を更新した。
合格者について、法学既修者コース(2年制)修了者は1242人で合格率は37.02%(同38.67%)、未修者コース(3年制)修了者は832人で合格率は17.30%(同18.87%)だった。
河内隆史・法科大学院長の話
明治大学法科大学院からは、335人が受験し、85人が合格した。この合格者数は、東大、中大、慶応、京大、早稲田に次いで6番目であり、この順位は第1回新司法試験以来、変わっていない。しかし、昨年が310人の受験者に対して96人合格だったので、昨年度比11人減である。昨年の合格者総数は2043人であり、一昨年の2065人より減少した中で、明治大学の合格者は84人から96人に増加しており、かなり健闘したと評価することができた。
それに比べて本年度の結果は、合格者総数が2074人に増加する中での減少であり、満足できる数字ではない。しかも、合格率では25.37%(20位)であり、全国平均の25.41%を若干ではあるが下回っている。昨年の30.97%(14位)と比較すると、この点でも残念な結果である。今年3月に修了した新卒者のうち既修者の合格が25人(合格率37.88%)、未修者が14人(同13.73%)であり、新卒者の合格率が低迷していることが特に憂慮される。従来、本法科大学院では、特別な受験指導は行ってこなかったし、修了後から新司法試験までの時期についても、まったく指導をする体制はなく、自習席も含めてもっぱら法制研究所に委ねていた。法科大学院による過度の受験対策は、各認証評価機関の評価基準で厳しく規制されているが、今後、新司法試験の結果が認証評価基準に盛り込まれるとすれば、何らかの対応策を考えざるを得ないであろう。
2010年新司法試験法科大学院別合格者数上位10校 |
順位 |
法科大学院名 |
受験者数 |
合格者数 |
1[1] |
東京大 |
411(135) |
201( 40) |
2[2] |
中央大 |
439(131) |
189( 34) |
3[3] |
慶應義塾大 |
355(112) |
179( 44) |
4[4] |
京都大 |
277( 84) |
130( 16) |
5[5] |
早稲田大 |
397(386) |
130(125) |
6[6] |
明治大学 |
335(190) |
85( 34) |
7[11] |
大阪大 |
180(133) |
70( 44) |
8[7] |
一橋大 |
138( 44) |
69( 11) |
9[9] |
北海道大 |
144( 64) |
62( 23) |
10[19] |
東北大 |
159( 51) |
58( 18) |
※[ ]内は昨年順位、( )内は法学未修者コース修了者数で内数 |
法務省「平成22年新司法試験の結果について」
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