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被災された皆さまへ 学長 納谷 廣美

桜のつぼみがふくらみ始める季節。今年の桜は、皆さんの目に、どのように映るのでしょうか。去る3月11日、自然の力によって多くの尊い命が奪われましたが、桜の花を咲かせる春の気候も、同じ自然の力です。われわれは、この惨劇を受けて、あらためて自然と生命について深く考えさせられることになりました。

歴史的にみても未曾有の被害を引き起こした東日本大震災、およびその後の二次災害によってお亡くなりになられた方々に、まずもって、衷心よりご冥福をお祈り申し上げます。また、被災され、やむを得ず避難生活を強いられている皆さまに対しましても、心よりお見舞いを申し上げます。そして、今なお、安否が確認できない皆さま方に、世界中の人々の祈りが届きますことを、切に願っております。

先日、本学は、2010年度卒業式の挙行中止を発表いたしましたが、今年度卒業される学生の中にも、このたびの震災によって亡くなられた学生がおります。本来であれば、逞しく成長した晴れの姿に、ご家族の喜ばしい表情が浮かぶべきときでしょう。これから叶えられる、自らの新たな夢があったことでしょう。ひとりの人間として、非常に短い生涯であったことは誠に遺憾でなりませんが、明大生として立派に学ばれたことを、学長として心から称えたいと思います。卒業、おめでとう。謹んで哀悼の誠を奉げます。

現在、日本の広域において緊張のゆるまぬ状況が続く中、日本は世界の各国に支えられていることを、私は強く感じております。ひとつになった世界中の心は、大きな力となっております。今はただただ、行方不明の皆さまの安否が確認され、被災地をはじめとするすべての皆さま方が、1日でも早く普段どおりの生活を取り戻せることを切望いたします。またそのために、本学もできる限りの支援をさせていただくべく、その具体化に取り組んでまいります。