Go Forward

今年度は大震災の影響で学年暦が変更され、例年とはちがうスタートとなりました。

学生支援部の一部局である学生相談室としても、新入生の皆さんの大学生活がスムーズに開始されるよう願っています。

大学では履修登録をはじめ重要な決定や手続きを自分の責任で行わなければなりません。初めての一人暮らしや都心の大学で送る学生生活など、新生活そのものが負担になることもあるかもしれません。

また、在学生は学年のスタートをどのように迎えたでしょうか?大学に適応できずにいる学生たちの存在が単位取得状況から判明しています。一段と厳しさを増す就職活動に直面したことから、心身のバランスを崩しかねないことも気がかりです。

学生相談室は、各学部教授会から選出された教員相談員、精神科医、臨床心理士、弁護士、インテーカーから構成されており、面談室での1対1での相談に応じています。例年、学生のご父母・ご家族からの相談も200件ほど受けています。本学アカデミーコモンで首都圏の父母懇談会を開催し、学生相談コーナーを準備してご父母からのご相談に応じる予定です。

学生相談室に対する「問題を抱えた特別な学生が行くところ」という印象は拭い難いものと思います。しかし、学生相談室は大学生活への適応が順調にいくよう支援する機関で、幅広い相談の内容に対応する「よろず相談所」です。相談内容は守秘義務によって保護されます。何かの折には、学生相談室があることをぜひ覚えておいてください。

この時期に寄せられる相談は

「受験科目で選んだ学部がやりたいこととは違う、興味がもてない」「合格したら燃え尽きて入学後の目的が見出せない」「特別入試入学者で基礎学力が不安」など、新入生にとって大学が自分の居場所として安心できないというのは、この時期の特徴的な相談です。

入学時期にこれらの悩みの解決がはかられないまま結局は大学に適応できず、数年後に単位僅少者や在籍原級者として年度末にご父母から学生相談室に相談が寄せられることもあります。

また、ホームルームや自分の教室がない大学という場で、「皆、楽しそうなのに自分だけ一人のような気がする」「気づいたらいくつかのグループができていてそのいずれにも入れなかった」等、友人を作り損ねたことでいつしかキャンパスに足が向かなくなってしまうことも少なくありません。

目的を隠した危険な団体

入学したばかりの学生を狙う団体は、この時期集中的に活動しています。「アンケートをお願いします」「モニターになりませんか?」「署名活動に協力を」「手相の勉強中ですが」などと、すでに、街中で声をかけられた学生も多いと思います。

その実態は、何時間も拘束し断れない状況に追い込んで不当に高額な商品や実体のない会員権の契約を迫る業者、過激な主張の政治団体、カルト的な擬似宗教団体などです。

住所・氏名など個人情報を教えない、勢いに圧倒されてその場で契約しない、何よりも、声をかけられても立ち止まらないのが一番です。

脅かされて契約してしまった場合も、「もう遅い!」とあきらめず、ぜひ早急に学生相談室、学生支援事務室、自治体の消費生活センターなど相談機関にご相談ください。

街中だけでなく、大学敷地内で学生団体を装い、学生の正義感につけこむこともあります。サークル選びには、大学の公認団体を掲載した「サークル・ナビ」を活用してください。

加入してから危険な団体とわかり、脱退が困難という場合は、学生支援事務室、学生相談室をはじめとして、大学全体で対応していきます。

ドアを開けないで!

宅配便の配達、アパート設備の点検・修理などを装った侵入犯が一人暮らしの学生を狙う事件があり、明治大学でも注意を呼びかけています。

宅配荷物受領の際はドアチェーン越しに受領印を押し、荷物はドアの前において帰ってもらうことをお勧めします。設備・機器の点検・工事の際は一人だけのときにドアを開けるのは避け、大家さんに立ち会ってもらうか、面倒でも家族や友人が立ち会える日に改めて来てもらうなどの方法をお勧めします。

弁護士相談

学生相談室では、弁護士も相談員として契約しています。もし、トラブルに巻き込まれてしまったら、気軽に相談してください。代理人として弁護活動を行うことは契約していませんが、学生に代わって解決を図るのではなく、学生自身の手で解決して乗り越えられるようお手伝いいたします。

例えば、アルバイト先の賃金トラブルにどんな対処をすればよいのかを助言します。

弁護士をたてて解決をはかるべき事例の場合は、弁護士への依頼の仕方や準備する書類をアドバイスします。

就職活動はすすんでいますか?

近年の経済状況の厳しさから、就職活動の長期化が続いています。さらに今年は東日本大震災のため、被災地に工場をもつ企業で新卒者の採用を見送る動きもあり、ご父母の皆さんも進路は最大の関心事だと思います。

ご父母の期待に応えようと精一杯頑張っても思うような成果を得られないことから心身の不調に至る学生、なかなか進路が決定しないことから授業にも出席できなくなる学生も見受けられ、就職キャリア支援事務室や学生相談室を経て、医療機関や心理相談による支援をすることも少なくありません。

本学は、就職キャリア支援事務室による支援も充実していますので、利用をお勧めください。そして、ご父母は辛抱強く見守っていただきたいと思います。

大震災にともなう相談

3月11日に発生した東日本大震災で被害にあわれた全ての方にお見舞い申し上げます。

帰省先で被災した方やご親族が被災された方は、生活全体が大きな変化にさらされた結果、精神的動揺や身体症状があらわれることがあります。

また、連日報道される被災地の映像などの震災情報を注視し続けて、直接被災していないにもかかわらず心身の不調をきたすことも稀ではありません。

平常時とは違う緊張状態のなかでは誰もが体験する可能性がある自然な反応がほとんどで、多くの場合は自然に回復していきますが、多少時間がかかる場合もあり得ます。

学生相談室では通常どおり臨床心理士や精神科医による面談を実施しておりますので、そのような場合も学生相談室にご相談ください。

(学生相談室)