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日本金融学会 ハーバード大 フリードマン教授らが講演

大会2日目には、ハーバード大フリードマン教授も講演

日本金融学会は2011年度春季大会を5月28・29日、明治大学駿河台キャンパスのリバティタワーで開催した。プログラムでは複数の教室で活発なセッションが繰り広げられたほか、日本銀行の白川方明総裁による講演(28日)や、ハーバード大学のベンジャミンM.フリードマン教授による講演(29日)も行われ、会場のリバティホールは両日ともに約400人の学会関係者や報道陣でにぎわった。

日銀・白川総裁による講演も

講演の題名は「通貨、国債、中央銀行—信認の相互依存性—」とされ、民間金融機関、政府、中央銀行への信認の重要性と、その相互依存関係が指摘されました。とくに、政府への信認は、民間金融機関の信認に対しては、金融危機での民間金融機関への資本注入能力を通じて影響するとともに、中央銀行の信認に対しても、国債の発行残高が増加すると、金利引き上げ反対論が強まるというかたちで影響する。しかも、政府への信認は、非連続的に低下するので、「狼少年」と受け取られても、財政悪化への警鐘は避けるべきではなく、高橋財政は、日本銀行が「一時的便法」として、市場のチェックを受けない国債を直接引き受けしたため、インフレを招いたなどと述べました。

さらに、会場からの平時以外での政策のあるべき姿に関する質問に対しては、「平時」と「異常時」の区別が相対化しており、状況が悪くなる前から、根本的な問題に対処すべきと返答しました。

(折谷吉治商学部教授)