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就任所感 食料の安定的供給と農業の産業化研究の拠点 植物工場基盤技術研究センター長 竹迫 紘

2011年3月28日、理事長、学長、関係各位の参列のもとに竣工式を迎えた明治大学「植物工場基盤技術研究センター」は、平成21年度、経済産業省「先進的植物工場施設整備事業」により設置された植物工場をベースに、栽培技術・装置の開発・研究と植物工場の普及を進める組織です。経済産業省は「農商工連携」による食料の安定供給、農業の産業化を目標に、植物工場の設置、運営に関わる諸問題の克服に関する研究・開発と地域の事業者育成、支援のための技術指導、人材育成、情報提供を目的として本事業を設置しました。

明治大学は研究・知財戦略機構を窓口として、経済産業省の基本事項に加え、農学部と理工学部で開発した技術を活用し、生産コスト縮減を目的とする、培養液のナノバブル殺菌、効率的人工照明、無菌的空調など無農薬、無洗浄の清浄野菜を生産するシステムや、風車・ソーラー発電による自然エネルギー利用し、排液を出さない資源循環型でゼロ・エミッションな植物工場を提案・申請し、全国8拠点(内大学7)の一つとして受理され、建設に至りました。

約400㎡におよぶ工場では今後、農学部、理工学部を中心にLED等光エネルギーの効率的栽培システムや、光刺激による機能性野菜類の開発、植物工場に適する品種改良などの研究を行い、地域に密着する植物工場の実用化モデルの確立を目指します。また、この実用化モデルによる生産物の地域流通、新規産業モデル、人材育成事業等を経営学部、商学部と共同し、まさしく明治大学の「農商工連携」研究組織として活動し、地域社会に貢献して行く所存です。教育的目的としては、「先端的で夢のある農業」を展望できる教育施設として農学部のみならず全学部の教育カリキュラムに活用できるよう努めてまいります。

(農学部教授)