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母校明治大学から佐々木監督へ 『明治大学特別功労賞』贈呈

納谷廣美学長から証書とメダルが授与されると、会場は大きな祝福の拍手に包まれた



学校法人明治大学は7月27日、佐々木則夫氏に対する明治大学特別功労賞授与式を、駿河台キャンパスリバティタワー23階の岸本辰雄記念ホールで挙行した。

贈呈式の祝辞で納谷廣美学長は、スポーツが世の中を明るく導く力について触れ、「大震災の被災者の方々への思いが日本代表チームの選手たちの心を強くし、サッカーのプレイへとつながった。その姿は人々に感動と勇気を与え、日本中を笑顔にした。日本サッカー史に燦然と輝く快挙を成し遂げたのも、佐々木氏の人柄が築いた選手との強い絆があったからこそ。その手腕と成果は、本学の学生たちの誇り。世界を目指す学生たちに、世界で力を発揮する楽しさを示した」と讃えた。

長堀守弘理事長は、「このたびの快挙が日本全体に漂う閉塞感を吹き飛ばした」と賞賛。優勝の要因として、佐々木氏が日ごろチームをマネジメントする上で笑顔を大切にしていることに触れ、同氏の著書『なでしこ力』(講談社)を紹介し、「監督と選手の双方向の信頼感が優勝をたぐり寄せた」と評した。続けて「今度は追われる立場。新しい取り組みに挑戦しながら、さらに明るいチームに成長してほしい」と折しも開催まであと1年となったロンドン五輪に向け激励した。

佐々木氏は謝辞で、「大学時代から30年経ってようやくサッカーで母校・明治大学の皆さんに喜んでいただくことができた。これを機に明治大学の誇りと伝統を胸に、ますます邁進したい。来年のロンドン五輪では一番輝いているメダルを持ち帰る」と力強く語った。

佐々木 則夫(ささき・のりお)
1981年に明治大学文学部文学科英米文学専攻を卒業後、日本電信電話公社に入社。NTT関東サッカー部(現:Jリーグ1部の大宮アルディージャ)で選手として活躍。33歳で現役引退後は、同部の監督や大宮アルディージャのユース監督などを歴任し、指導者としての経験を積んだ。2006年なでしこジャパンコーチ、2008年同監督就任、同年の北京五輪ではチームを世界大会初のベスト4に導いた。

明治大学特別功労賞

明治大学の学生、教職員、校友(OB・OG)らの中で、学術・文化・スポーツなどの分野において顕著な功績を挙げ、明治大学の教育・研究の振興・発展に寄与したと認められる個人や団体に対し贈られる。佐々木氏は29人目の受賞者となった。

明治大学特別功労賞受賞者一覧 (敬称略・理事会承認順)

  氏名・団体 職業・功績 発行年月日
姿  節雄 体育会柔道部師範 1992. 7. 6
外山 浩爾 グリークラブ専任指揮者 1992. 7. 4
  明治大学マンドリン倶楽部 創部70周年 1992.11.22
小川 直也 バルセロナ五輪における成績(柔道) 1993. 3.26
吉田 秀彦 バルセロナ五輪における成績(柔道) 1993. 3.26
坂口 裕之 バルセロナ五輪における成績(野球) 1993. 3.26
三輪  隆 バルセロナ五輪における成績(野球) 1993. 3.26
三谷統一郎 ヒマラヤ・ナムチャバルワ峰初登頂 1993. 4. 7
山本  篤 ヒマラヤ・ナムチャバルワ峰初登頂 1993. 4. 7
10 佐野 哲也 南極点に徒歩到達 1993. 4. 7
11 藤原 智美 第107回芥川賞受賞 1993. 4. 7
12 松井 康成 重要無形文化財(人間国宝)の認定 1994. 4. 7
13 園田 隆二 第18回世界柔道選手権優勝 1994. 3.26
14 西方 仁也 リレハンメル五輪における成績(スキージャンプ) 1994. 4. 7
15 本庄 克二 俳優(芸名:東野英治郎) 1995. 3.26
16 田向 正健 脚本家 1995. 4. 7
17 孫  基禎 ベルリン五輪マラソン優勝 1995. 6.10
18 森島 健男 剣道部師範 1995.10. 7
19 藤原  雄 陶芸家(人間国宝) 1997. 3.26
20 深田 公之 作詞家・作家(芸名:阿久悠) 1998. 3.26
21 星野 仙一 プロ野球選手・監督 2004. 3.26
22 北野  武 映画監督・俳優・タレント 2004. 9. 7
23 石津 謙介 服飾デザイナー・評論家 2005. 6.26
24 岡本 喜八 映画監督 2005.10.25
25 倉橋由美子 作家・翻訳家 2006. 6.16
26 唐  十郎 俳優・作家・演出家 2006.11.24
27 宇崎 竜童 歌手・作曲家・俳優 2008.10.19
28 阿木 耀子 作詞家・作家・女優 2008.10.19