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生田第二校舎1号館建替計画

※CGによる完成イメージ。色や形等、竣工時とは異なる場合があります

開発面積 約148,000㎡
建築面積 約2,000㎡ (別棟)約700㎡
延床面積 地上7階建て(免震構造) 10,500㎡
地上2階建て(別棟) 800㎡
全体工期 2010年8月~2012年3月
(備品搬入、移転を含む)
コンセプト 老朽化した1号館の建替え。教育研究環境の改善を目的とし、安全で環境に配慮した施設計画。応用化学科、機械工学科、機械情報工学科、その他大学院演習室が使用する。

D館の完成を目前にして

理工学部では、1997年作成の「理工学部教育研究環境整備計画マスタープラン」に基づき、基礎物理学実験室を始め、電気系の実験室・研究室、建築系の実験室・研究室等が整備されたA館が既に完成している。今回は、耐震性の深刻度や設備機器等の劣化が著しくB・C館建設に先駆けてD館が建設されることになった。

このD館は、本棟と別棟の2棟からなり、本棟は7階建てで、機械系実験室、研究室、基礎化学実験室、応用化学実験室、研究室等が整備されている。別棟は、2階建てで、重量機器に耐えうる床と、クレーンなどの天井高を必要とする機械系実験室、研究室等が整備されている。

基礎化学実験室、応用化学実験室および応用化学科研究室等が中心となる本棟は、薬品等危険物の転倒防止と安全性確保の観点から明治大学では初めての免震構造が採用されている。実験室内の環境を保持するために、スクラバー付ドラフトを設置している。薬品等の危険物保管に対しては、適切なセキュリティを設けている。

このように理工学部としては、安心して教育・研究ができる環境がまた一つ整ったことになる。

来年度から理工学部に入学した全学生は、新しく整備された基礎物理学実験室と基礎化学実験室において大学生活をスタートすることになる。

基礎化学実験の充実に向けて

理工学部設立時から、基礎化学実験は理系基礎教育充実を合言葉に1年生全員の必修科目となった。しかし、時代の変化とともにD館移転を念頭に「化学実験の入門から最先端技術まで」を学ぶ実験へと全面的な改定を行った。

改定基礎化学実験のテーマは3つある。

実験課題1
「電池」をテーマに、ダニエル電池から水素燃料電池と次世代色素増感太陽電池を学ぶ。

実験課題2
「セラミック」をテーマに、焼成から節電で有名になったLED電球の制作を学ぶ。

実験課題3
「プラスチック」をテーマに、ネットワーク社会に欠かせない光ファイバープラスチックの合成、リサイクル、塗料・塗膜の実際を学ぶ。

3つのテーマはいずれも最先端技術を基礎から実践的に学ぶ学習内容であり、応用化学科が独自に開発した基礎実験課題となっている。基礎化学実験は前期が必修で後期は選択だが、入門から最先端技術までを学べるため受講者数が大幅に増加する効果があった。

また、セラミック実験は、明治大学リバティアカデミーで「陶器アカデミー『土器、陶器から最先端セラミックスまでを体験する』」として2011年11月5日から開講する。

応用化学科の教育・研究の充実に向けて

応用化学科は1960年に工業化学科として創設され、2006年に応用化学科と名称を変更し、2010年に50周年を迎えた。応用化学科は発足時より、カリキュラムの特徴として実験重視の視点で教育を行ってきた。近年では、「フラスコからコンピューターまで扱える科学者・研究者・技術者の育成」というキャッチフレーズのもと、応用化学実験、化学情報実験を実施し、内外から高い評価を得ている。しかし、実験室が狭隘で設備も老朽化し、耐震性も十分ではなく、環境基準をクリアーできない等の問題を抱えていた。今回の新校舎は、前述した問題点を全て解決しており、次の50年へ大きく飛躍するための新校舎でもある。応用化学科では、例年修士課程へ約50人、博士課程へ数人を受け入れている。応用化学科と応用化学専攻を合わせると約600人の学生を擁しており、この中から世界に羽ばたく優秀な研究者が育っている。

※ 学科のカリキュラムおよび研究内容等については、応用化学科のHPを参照のこと