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和泉キャンパス 新図書館新築工事

新図書館西側からの外観イメージ ※CGによる完成イメージ。色や形等、竣工時とは異なる場合があります 個人の閲覧環境を重視した最上階スペース(イメージ) ※CGによる完成イメージ。色や形等、竣工時とは異なる場合があります

開発面積 約53,000㎡
建築面積 約2,600㎡
延床面積 約8,800㎡
地上4階建て(7層構造)
全体工期 2010年8月~2012年3月
(備品搬入、移転を含む)
コンセプト 「知の拠点」として、人と人、人と情報を結ぶ機能を重視し、和泉キャンパスのシンボル的な建物となるよう計画している。学生、教員が語らい、議論できる余裕のある空間の確保。静けさの度合いによって4つのゾーンに分かれている。

インタビュー 金子邦彦・図書館長に聞く

——新図書館の概要を教えてください

施設は約面積8800㎡、地上4階7層構造、蔵書収容冊数60万冊、座席数1200席です。

外観は、本学学生の学習活動を活発に表出できるように1・2階はガラス張り、3・4階は直射日光を避けながらも光を間接的に取り入れられるようルーバー構造にしています。

コンセプトとしては、「人と人・人と情報を結ぶ『架け橋(LIAISON・リエゾン)』」を基本理念としています。図書館は「知の拠点」として学内外の多様な知的コミュニケーションの結節点となります。

——新しい図書館を構想するにあたって最も重要と考えたのはどのような事ですか

図書館へは様々な目的をもって来館します。それらすべての利用者にとって有益かつ快適で、また足を運び利用したくなる図書館を作りたい。これを実現するために、利用者自身が選択できる空間を提供していきます。閲覧席の形も複数用意しました。さらに、活発に議論できる空間と、一人静かに集中して勉強できる空間も設けています。これらを両立させるため、音への配慮にはとことんこだわり続けました。

建物全体のデザインとして、活発から静寂へのグラデーションを持たせ、利用者が状況に応じて自分の居場所を見つけられるようにしました。

——これまでの大学図書館との一番の違いは何ですか

大学図書館は、静かに勉強する場所であると考えられてきました。

新図書館では、従来の基本概念を残しながら、利用者が集う場所を設けたというのが大きな違いです。出会いと知的交流の場として、カフェテリアや多目的ホールが入館ゲートの両脇に設けてあります。最近、各大学図書館でも取り入れられていますが、グループ学習やラーニング・コモンズのような機能が重視されつつあります。本学でも少人数教育を導入していますので、グループ学習のできる環境が図書館には必要です。そこで、グループ閲覧室に加えて、創造的コミュニケーションの育成をはかることができる空間を作りました。また、学習・研究成果などを発表できる環境を整えていますので、知の創造と発信の場として、利用者が積極的に図書館を使ってくれることを望んでいます。

——いくつか特徴を紹介してください

和泉キャンパスでは初年次教育に力を入れているので、図書館は学習支援として図書館リテラシー教育を実施しています。しかし、旧図書館は、施設面でサポートが十分できなかったため、この新図書館ではリテラシー室を設け、プレゼン設備も整えました。和泉図書館ではゼミガイダンスを半期に150回ほど実施しています。新図書館ではよりよい環境でゼミガイダンスを実施できます。

全く新しい試みとして、デジタルサイネージを導入しています。館内案内、フロア案内、図書館からのお知らせなどをデジタルで掲示し、知りたい情報を利用者が簡単に見つけ出せるように館内各所に設けました。

様々な空間を提供することは、空間を作り上げるための重要な要素として、備品も建物の設計段階から同時に検討を進めてきました。空間コンセプトに合うような色合い、形を検討し、閲覧机については多種類あるので、好きな場所で勉強してもらいたいですね。

書架については、一般書架のほかに、6層に渡る積層集密書架を設け、その前を吹き抜けにし、本の集積庫を見上げるような構造になっています。また、入館ゲートそばに、特設コーナーを設け、シラバス本や教員推薦図書を配架します。活字離れが言われていますが、明大生には多くの書物と出会ってもらいたい。本との出会いを生み出すようなコーナーにしたいと考えています。

コミュニケーションエリアとしては、音への配慮のためガラス壁で仕切っていますが、グループ閲覧室、複数グループが同時に利用できる共同閲覧室、通路をうまく利用したラウンジスペースがあります。特にラウンジスペースでいろんなイベントを仕掛けていきたいと考えています。例えば、留学生や外国人教師と日本の学生との交流が自然と生まれるようなことも考えています。1階入口付近には、誰でも入れるカフェエリアを設けました。ここでは飲み物片手に学生同士、学生と教員あるいは一般入館者がリラックスしながら話しをしたり、中庭の緑を見ながら一人でゆっくりリフレッシュしたりできます。外にもテーブルを置きますので、ヨーロッパのカフェのようなイメージで、利用者が集うようになるといいですね。

——最後に今後の予定を教えてください

2012年3月に建築工事が終了します。その後、備品を搬入し、現在代替施設に配架している図書を引っ越します。作業期間中は閉館になります。利用者の皆さんにはご迷惑おかけしますが、ご理解いただければ幸いです。