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明治大学力の強化へ 理事長 長堀守弘

3月11日に発生しました東日本大震災による被災者の方々とそのご家族に対し、心よりお見舞いを申し上げますとともに、1日も早い復旧・復興を願い、大学としても支援してまいります。

校友の皆さまには日頃から明治大学の発展のために、ご尽力・ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。本学は創立130周年を迎え、「世界へ-『個』を強め、世界をつなぎ、未来へ-」をコンセプトに据えて、現在着々と準備しています。創立130周年記念事業としての施設整備は滞りなく推進し、教育・研究がなされる現場の施設・設備を拡充させ、幅の広い環境を整えております。また、国際的基準で日本の特性を発揚しようと考え、20年後の創立150周年、さらには200周年に向けた「始まりのはじめ」として、本年を位置づけたいと考えます。

一昨年から向殿校友会長は、青木元会長の残任期間である2年間を「明治はひとつ」とのキーワードのもと、創立の理念を踏襲しつつ21世紀型の校友会の在り方を追求し、校友会組織の結束を固めてまいりました。校友会がますます力を発揮していくためにも、若手校友の参画やICTの活用を推進し、さらなる活性化を図っていただくことを願います。

さて、大学の使命とは、教育・研究に基づき、優秀な人材を育成し、社会への貢献度を高めることだと考えます。大学は今日、さまざまな観点で社会から評価されており、その中で、「大学力」という言葉が見られます。これは総合力と専門力から構成されると思いますが、総合力は次の3つに分類できましょう。

ひとつは「学生力」であり、現役の学生とその父母が大学を盛り立て、学内から発信するものであります。次に、「校友力」であり、本学を巣立った校友が各界で活躍され、学外のネットワークを構築することであります。最後は、「教職員力」であります。特に、教員は、(1)研究・教育における活躍、(2)学界での地位確立や社会への貢献、(3)外部資金の獲得などによる大学経営への協力、の3点から大学の専門力として必要不可欠であります。そして、職員のコーディネート力により、いま挙げた3つの力を総合的に融合させ、大学力を高めていくのです。

今春、4年制の私立大学で定員割れした大学は全体の39%であります。各大学は冬の時代に備えた選択と集中が求められます。これは結局、規模の拡大か品質の高度化かという考えの中で、本学はどちらを選択して集中させるかであります。私としましては、伝統校としての本学の学風を踏襲しつつ、品質の高度化を図り、世界に冠たる明治大学でありたいと考えます。

結びにあたり、代議員をはじめ校友の皆さまは大学の資産であります。皆さまのご健勝とご多幸を祈念し、今後も熱い母校愛を捧げていただき、引き続き大学経営に対してのご理解を賜りますようお願いし、私のあいさつといたします。