本棚 「幕末維新期地域教育文化研究」 鈴木秀幸 著 (日本経済評論社、6,500円)



著者の鈴木秀幸氏は、大学時代から40年以上にわたって、自らの足で地方の村落を調査し、教育、文化関係の史料を収集してきた。その成果は、すでに大原幽学研究、千代川村史編さん事業などに発表されている。さらに、鈴木氏は明治大学大学史資料センターの設立運営に関係すると、大学史と地方史を結びつけた研究を開始した。

本書は氏の大学史と地方史を結びつける研究成果のひとつであり、幕末維新期から明治期における村落の寺子屋教育、和算および和歌の展開などを紹介しながら、地方の村落で生活する人々がどのような知的関心を抱き、明治期にはどのような教育機関に進学したのか、さらには高度な教育をうけた人々は地方にどのような知的影響をもたらしたかを実証している。政治、経済、教育などが大変革するこの時期において、地方の村落の人々が教育に求めたものは何であったのか、また明治法律学校などの法律専門学校はそれにどう応えたのか、を知る上でも本書は格好の一冊である。

秋谷紀男・政治経済学部教授

(著者は文学部兼任講師、元職員)

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