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「明治大学創立130周年」の諸行事が本格化する。東京大学の創立が本学より4年前の1877年、早稲田大学の創立が1年後ときけば、維新後の近代化のなかで本学が果した役割を考えてみることも大事である。

明治大学が大学令のもとで帝国大学と同格の「大学」と認められたのは第1次世界大戦後の1920年のこと、慶應や早稲田などと同時期であった。戦前は、国家の大学であった帝国大学と私立大学の間には大きな「壁」があり、私立大学は多かれ少なかれ国家からの「独立」と「自治」とを主張する必要があった。

くわえて、明治大学は市民社会における「権利」と「自由」の普及を建学の理念としたために、国家からの遠心力を強くもつことになった。それが、現在の「個」を強くする大学としての評価に繋がっていることは間違いない。

記念事業の1つとして、『明治大学小史』(通史編)の姉妹編である「人物編」を刊行する。また、英語、中国語、ハングル版も刊行予定である。130年の歴史のなかには、これからの明治大学ために、多くの発掘されるべき「伝統」がある。