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アネッテ・シャヴァーン氏へ名誉博士学位を贈呈



明治大学は10月3日、駿河台キャンパス・リバティタワー1階のリバティホールにおいて、ドイツ連邦共和国教育研究大臣のアネッテ・シャヴァーン氏に明治大学名誉博士学位を贈呈した。

このたびの名誉博士学位の授与は、シャヴァーン氏が日本とドイツの学術・文化交流を積極的に推進し、両国の相互理解と学術・文化交流の発展に多大な貢献を果たしたことを顕彰するもので、29人目の明治大学名誉博士となる。

贈呈式で納谷廣美学長は、シャヴァーン氏の経歴とともに、同氏が教育研究大臣に就任した2005年以降の「ナノ電子工学に関する協定」(2006年)、 「バッテリー研究に関する協定」(2010年)など、日本とドイツの学術関係が再び積極的に推進されていることを紹介。特に、在日ドイツ商工会議所協賛の もと、日本人研究者に授与することを目的に2009年に創設された「ゴットフリート・ワグネル賞」の創設を称えるとともに、これらの諸活動の日本側の架け 橋として、重要な役割を果たしたのがメンクハウス法学部教授であり、その縁が今回の名誉博士学位贈呈の栄誉につながっていることも披露した。

続いて祝辞を述べた長堀守弘理事長は、「日独交流150周年という節目の年に、シャヴァーン氏への名誉博士学位の贈呈は、日本とドイツの教育界における 新たな第一歩となる」と位置づけた上で、「両国の友好協力関係がますます強化なものになることを願う」と期待を込めつつ、あらためてシャヴァーン氏と関係 者の来校に感謝の意を表しあいさつを結んだ。

答礼に立ったシャヴァーン氏は、1989年11月9日のベルリンの壁崩壊後、21年前の今日、1990年10月3日にドイツが再統一されたことに触れ、 「ドイツの建国記念日(ドイツでは祝日)の良き日に、明治大学から名誉博士学位が授与されたことは光栄で心から感謝する」との謝辞に続け、「教育の中核は 『自由』。勝手気ままではなく責任を取る『自由』。発展する『自由』が教育の大きな課題であり、教育の中核にあるのは、上の世代が、若い世代に注意を払 い、耳を傾け、世代間の橋渡しをすること」と教育研究大臣としての信条を語るとともに、学問・学術の場において『自由』がいかに大切であるか、贈呈式に参 列した約350人の学生らに向けて実体験に基づき語りかけた。

アネッテ・シャヴァーン

1955年ドイツ連邦共和国ユーヒェン生まれ。1974年ボン大学およびデュッセルドルフ大学にて教育 学、哲学およびカトリック神学を学び、1980年哲学博士学位取得。1991年クザーヌスヴェルク奨学金財団会長、1995年バーデン=ビュルテンベルク 州文化、青少年およびスポーツ大臣、1998年ドイツ・キリスト教民主同盟会長代理、2001年バーデン=ビュルテンベルク州議会議員を経て、2005年 にドイツ連邦共和国教育研究大臣に就任、現在に至る。