Go Forward

法学部 2年目を迎えたケンブリッジ大学夏期法学研修 法学部国際交流・留学生支援委員会委員長 江藤 英樹(法学部准教授)

法学授業担当教員・プログラムアシスタントと一緒に 参加学生が1カ月間、学び過ごしたコーパス・クリスティカレッジ 教員から熱心にイギリス法を学ぶ参加学生

法学部では、夏期休暇中の8月8日から9月8日までの1カ月間、イギリスの名門ケンブリッジ大学においてイ ギリス法を学ぶ法学研修を実施した。今年度の法学研修は、独立行政法人日本学生支援機構による短期学生派遣プログラム「平成23年度留学生交流支援制度 (ショートビジット)」に採択されている。

約1カ月間のプログラムの期間中、参加学生(2年生12人、3年生4人、4年生2人の総勢18人)は、普段はケンブリッジ大学の学生が生活している学生 寮に滞在することにより、ケンブリッジ大学生になったかのような気分を味わいつつ、現地の教員によるイギリス法の入門授業を受けることができる。18人の 学生に対して1人の教員という形式で行われる授業は、大教室での講義に慣れている本学学生たちにとって非常に刺激的である。授業には、学生たちの理解力向 上のために2人のケンブリッジ大学大学院生がプログラムアシスタント(PA)として参加し、受講生のサポートをする体制もこの研修の重要な特徴になっている。

また、教室で学んだ知識を実地において体験すべく、ケンブリッジ大学のスタッフと共にロンドンの王立裁判所や国会議事堂(ビッグベン)などを訪問するプ ログラムが準備されている。ケンブリッジ市内では、学生たちは3人ずつのグループに分かれ、プログラムアシスタントと共に裁判傍聴を行ったのち、教室で法 廷の再現レポート作成に取り組まなければならない。さらに、英語でのプレゼンテーションや、模擬法廷を使用した模擬裁判などが学生たちを待ち受けている。

法学部では、研修効果の向上を目的とした日本語で行われるイギリス法の入門授業、アメリカ人の特任教員による英語での法律の授業、さらに、イギリス人の 特任教員による英語の授業を「留学基礎講座」として提供している。これらの科目は、夏期法学研修の前後に設置されているので、研修の効果を高めることに大 いに貢献しているし、夏期法学研修を含め、すべて卒業単位として数えられる。

この研修では、1カ月間徹底的にイギリス法を堪能することが目的である。それに加え、母国語以外の言語でも自らの意見を伝えることについての抵抗を減ら し、次の段階である海外協定校への長期留学への接続といったことも念頭に置いている。学生たちが将来社会に出て活躍する場は日本国内とは限らないし、自ら の活躍の場を海外に求めるとき、この研修での経験が必ず役に立つはずである。

ところで、本年度は、研修開始直後にイギリス国内で暴動が発生したため、研修の継続が懸念されたが、幸い暴動が短期間のうちに収束したことにより、学生 たちは全行程を終了し、無事帰国することができたことは何よりである。この研修は、現在、ケンブリッジ大学に好意的に受け入れられているし、参加学生の評 価も高いものとなっている。今後も多くの学生が参加し易く、より満足度の高いプログラムとなるように取り組んでいかなければならない。