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Discover the world 日本模擬国連関東事務局副事務局長 北條 早紀(政治経済学部3年)

座席から見た議場の様子 (机上はリサーチペーパーなど) 国連広報担当事務次長・赤阪清隆さんと マレーシア、タイ、韓国の学生と昼食 タイ人の女子学生たちと、タイ大使を務めた学生

8月10日から14日まで、韓国・仁川で開催されたGlobal Model United Nations(以下GMUN)に、GMUN-Japan代表団として、日本模擬国連(Japan Model United Nations:JMUN)から参加しました。

GMUNとは2009年より年一回国際連合が主催する唯一の模擬国連会議で、本年は「持続可能な開発~自然との共生における人類の発展~」をテーマに、 世界約60カ国の模擬国連活動に参加している約400人の学生が参加しました。模擬国連活動に参加している学生にとってGMUNは、日頃の成果を発揮する 以上の意味がある、いわばオリンピックのような大変貴重な機会なのです。

私は国連総会第二委員会(経済・金融を扱う委員会)にバルバドス政府代表として出席し、「持続可能な農業を通じたグローバルな食糧安全保障の確保」と 「グリーン経済に向けた代替可能エネルギー推進における市場状況の改善」という議題について70人ほどの各国政府代表に扮して議論を重ねました。バルバド スとはカリブ海に浮かぶ島国で、人口は25万人ほど、主に農業と観光でカリブ海の周辺国の中では最も経済発展を遂げている国です。このような小国の政策を 立案したのですが、国際社会の意思決定プロセスに参画する難しさを痛感させられました。

さらにGMUNでは、第一委員会から第四委員会に加え、安全保障理事会の5つの会議が設定されており、安保理に参加できる国を除き、本来ならば各国4人 ずつそれぞれの委員会を担当する予定でした。しかし私と同じバルバドスを担当する予定だった学生が、ファンドレイジングが上手くいかずGMUNに参加する ことが出来なかったため、私は各委員会の決議案の採択にそれぞれ出席しなければなりませんでした。It's the United Nations. 実際の国連においても、全ての加盟国が必ず各委員会に政府代表を送り込めるわけではありません。GMUNで私は、自国の立場と方針が似ている国を担当して いる人にそれぞれの委員会の様子を聞いてまわり、投票行動に臨みました。結果的にそれぞれの委員会の雰囲気を自分の目で確かめることが出来たのは、とても 幸運であったのだと思います。

今回のGMUNを通じ、私が得たことは三つあります。第一に、なによりも国連という存在がより身近に感じられるようになったということです。開会式の キーノートスピーチで潘基文国連事務総長は次のように述べました。「あなた方は国際問題を解決する重要な役割を担っています。20年も経てば、私たちの世 代の大半は役割を終えるでしょう。どんな決断であれ、今ここで一緒に決断したことが次の20年を決めるのです。2031年の世界は、2011年今まさにあ なたたちの決断に関わっているのです。だからこそ、私たちはあなた方の声を聞きたい」つまり国連は、GMUNを通じ学生の声を国際社会へ届けようとしているのです。

そして第二に、次世代を担う世界中の優秀な学生と一つの課題に取り組むことで、未来を作るのは自分自身であるという自覚を持ったということです。海外の 学生の意識の高さは会議中いたる所に見受けられました。信念を持ち、最後まで粘り強く交渉を続け、自らの力で世界を変えようとする姿から刺激を受けまし た。

そして最後に…What a small world!!ということです。GMUNではタイから参加していた学生と2年ぶりの再会を果たしましたし、9月に中国で開催された「第2回中日韓ユース・ フォーラム」では、GMUN参加者の一人と再会し、さらに現地に住んでいたほかのGMUN参加者との再会も果たしました。

GMUNに参加するまでは、初めて模擬国連の海外で行われる会議への参加ということで不安ばかりが先走りしていました。けれども今となっては、もしかし たら近い将来今回出会ったGMUNの参加者と、いつか世界のどこかで一緒に働くこともあるかもしれない、そんな風にさえ思えるようになりました。これから も数多ある国際問題に対峙し、自分の信念とともに挑戦し続けたいと考えています。