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「世界の中の日本」を再構築 国際日本学研究科長(就任予定者) 長谷川 文雄(国際日本学部教授・工学博士)

明治以降日本は、西欧にキャッチアップするため多くのことを海外から学んできました。その過程でいくつかの試練に直面しましたが、20世紀末には経済力・生産力・技術力等、様々な分野で欧米先進国に比肩し、凌駕する分野も現れました。なぜ短期間に世界のトップクラスに躍り出たのかなど、日本人のものの考え方、その背景にある伝統文化や現代文化に関心が寄せられています。クールジャパンなどはその典型でしょう。

しかし時間軸を未来に向けて考えてみると、アジアの周辺諸国をはじめ新興国が急速に経済発展する一方、日本は高齢化と少子化が同時に進み、今までに経験のない人口減社会に見舞われます。

それまでの右肩上がりを前提にした社会システムや価値意識等に少なからず影響が起きてくることになります。さらにグローバル化の進展により、世界の相互依存関係がより緊密になっています。

こうした状況の中で、われわれ自身が「世界の中の日本」という、日本の立ち位置を国際的な視点から再確認し、その上で世界との様々な分野で交流を進め、積極的に相互依存関係を構築していく必要があります。

「国際日本学研究科」はまさにこのような問題意識のもとに研究を行います。具体的には、本研究科では世界の多様な文化や社会システムを深く理解するとと もに日本を理解することを重視します。また、それにとどまらず、その理解に基づいて、自らの意思を言語や様々なメディアを通じて的確に表現し、発信する方 法も研究していきます。